動物の命を救いたい、幸せになって頂きたいと思って獣医師と言う仕事をしている訳ですが、
本当に心を痛める事によく遭遇する。
他院様からの紹介や転院の症例の中に、抗生物質が全然効かない感染症のケースを診察する事がある。
このような手強い菌を、【【 多剤耐性菌 】】という。
よくよく調べてみると、早期から【ある抗生物質】を使っている事が共通項になっているようだ。
薬剤耐性メカニズムから言っても当然だと思うが、【ある抗生物質グループ】が原因になりやすい事は当たり前だと思う。
専門家にとっては、釈迦に説法になるのでそれ以上は言わないが、
私自身は良く調べてから抗生物質は使いたいと思っている。
最近では、【多剤耐性菌を効果的に調べられるシステム】が日本でも使えるようになったので、当院でも使い始めているが、上手くいくケースもあれば、飼主様が泣いてしまうケースもある。
自らを律して、薬剤の使用を注意深く行いたいと思っている。
ちなみに、カビ(真菌)による病気も皮膚病以外の体内に起こるのだが、
抗真菌剤というカビを殺菌する薬剤に、ほとんど効かなくなってしまう多剤(抗真菌剤)耐性真菌に遭遇した事があり、千葉大医学部との共同治療で治した経験がある。
抗真菌剤は、意外と耐性菌を持たないと思っている獣医師も多いかもしれないので、最後に御紹介しておく。
なぜだか、今日は硬い文章になってしまいました。
ちょっと、悲しい事があったので。