【こんな症例も治りますシリーズ 529】 猫ちゃんの『 リンパ球形質細胞性腸炎 』も 適切な診断と治療で治します

上の写真は、猫の消化器内の炎症像(消化器内視鏡)です。
■ 正常との変化は、『 粒度の増加、粘膜のもろさ、粘膜びらん 』などです。
■ 赤い所は、腸粘膜の出血や充血です。 このような異常像の場所を内視鏡で採材して、病理組織検査を行います。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3e4jrHv

 

 

猫 ペルシャ 4歳 オス(去勢済み)

 

 

【 排便後に出血が見られる 】ということで来院された猫ちゃんです。

 

 

 

◆◆ 1歳ごろから便に血液が付着することがたびたび見られる様になり、他院様で止血剤をその都度服用していた、とのことでした。

 

■■■ 便の状態は下痢でも便秘でもなく、猫ちゃんも元気なのですが、何度も症状を繰り返していたので、原因を調べるために一般検査の他に追加精密検査として、全身麻酔下にて内視鏡検査を行いました。

 

 

 

■ ポリープなどの病変はありませんが、腸の粘膜はところどころに赤みを帯びていました。 これらの炎症部分から消化管の組織を採材して、病理組織検査をしました。

 

 

 

■ 肉眼での腫瘍病変がなかったことで、飼い主様は安心された様でした。

■ 病理組織検査結果は、『 粘膜のビラン、リンパ球形質細胞性腸炎 』でした。

 

 

 

 

 

■■■ これらの炎症の原因追求には、ひとつずつ考えられる病気を除外していく必要があります。

 

 

★ まずは、フードを『 消化が良く腸内細菌を整え抗炎症効果のあるもの 』に変更しました。

 

★ フードを変更して1ヶ月になりますが、今のところ出血はないようです。

 

 

 

■ 排便時の出血は時々見られることがありますが、長引く場合は内視鏡検査をお勧めいたします。

 

 

 

獣医師 新井澄枝

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