【こんな症例も治りますシリーズ 528】 ワンちゃんの『 赤目 』も 適切な診断と治療で治します

上の写真は、犬の右目です。
■ 眼の周囲が赤く充血しています。
■ よく見ると、本来透明の角膜が少し白濁しています。
■ 角膜には、ヒトには無い瞬膜という膜が被さっています。 また、新生血管という細い血管が角膜にあります。
■ このような症例は、単純な原因では無い可能性が高いので、しっかりと検査をして鑑別診断したいですね。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3AU2dFR

 

犬 ミックス犬 1歳 オス(去勢済み)

 

 

【 眼が赤い 】ということで来院されたワンちゃんです。

 

 

◆◆ 眼が赤くなるのは、傷や寄生虫、緑内障など、軽度のモノから重度のモノまで様々あるため注意が必要です。

 

 

■ 診断手順に従って、様々な原因を除外していったところ、アレルギー性の結膜炎が強く疑われました。

 

 

■ 季節や外出、天気に影響されて症状が変わるため、状況に合わせて治療することで、眼の状態が改善しました。

 

 

 

■■■ 当院には、眼科の病気に関しても『 セカンドオピニオン診療 』で来院される動物さんが増えて来ています。

 

 

★★ その中でも、当然のことながら『 従来の治療では治らないので来院した 』という理由が多い訳です。

 

 

 

 

 

★ 今回のような軽症の『 赤目 』なら簡単に治るのですが、視力まで低下する重症の病気を紹介しておきましょう。

 

 

★ なぜなら、\明日は我が身/と言う事で、飼主様が『 異常 』に早く気付くためにも、『 知っておくべき目の知識 』だと思うからです。

 

 

 

 

 

◆◆ 赤目 = 結膜炎ではありません。 複雑な病気も多いです。

 

 

■ すべての赤目は、目の視力低下を引き起こす可能性のある 3つの主要な眼疾患について評価する必要があります。

 

 

 

 

1)角膜潰瘍 ⇒ 角膜に穴が開いて重症になる事あり。

 

2)緑内障  ⇒ 眼圧が上昇して、網膜への変化が起こって重症になる事あり。

 

3)ブドウ膜炎 ⇒ 赤目というと簡単に見える部位ですので、まずは水晶体と言うレンズよりも前の『 前部ブドウ膜炎に続発する前房出血 』に要注意。 瞳孔を覆い隠す出血に注意しましょう。

⇒ また、後部ブドウ膜炎は、網膜の病気が含まれますので、この病気も視力低下につながります。

 

 

 

 

 

 

◆◆ その他にも、基礎疾患と言って元々あった病気だけど、見逃しがちで、治癒時間を遅らせる赤目の原因は、

 

 

1)ドライアイ(乾性角結膜炎)

 

2)異所性絨毛(結膜から毛が生えている)

 

3)慢性的な角膜露出(マブタが閉じ切らない症状で、短頭種に多く起こります)

 

 

 

 

 

 

■ 内容の後半は、難しかったでしょうか。 当院では、POMR式診断法を用いて、難しい眼科疾患に関しても見逃しがない診断と治療に努めております。

 

 

■ 眼の異常もしっかり検査することで悪化を防ぐことが出来ますので、気になる点はご相談ください。

 

 

■ また、治らないし、ドンドン悪化して来る!!! と思ったら、翌日には目の表面が溶けてしまった! という症例もありますので、専門性の高い動物病院にご相談下さい。

 

 

獣医師 冨田浩平

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