【FIP専門治療センター・セカンドオピニオン診療】 無料FIP治療薬プロジェクト / 皆さんにも役立つ 情報

↑ 上の写真は、FIP猫ちゃんの胸部レントゲン写真です。

■ 胸腔内に貯留した胸水によって、肺が押し縮められ、心臓の輪郭も見えにくくなっています。

■ この状態では肺が十分に広がることができず、呼吸が苦しくなります。

■ 胸水を抜去して呼吸を少し楽にしたうえで、その胸水そのものを検査することが、FIPの診断への近道になります。

 

参照サイト:

https://00m.in/KybyS

 

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■■■ 【セカンドオピニオン診療】 呼吸困難で来院した猫 | 胸水貯留からFIPが疑われた一例

 

 

 

1歳、サイベリアンの去勢済みの男の子。

 

 

 

■ 呼吸状態が悪く、苦しそうに呼吸をしているとのことで来院されました。

 

 

 

◆◆ 来院時の状態

 

 

■ 来院時には呼吸数が増加し、努力性呼吸(お腹まで使った、苦しそうな呼吸)が認められました。

 

■ 胸部の画像検査では胸水の貯留を認め、肺が十分に広がらない状態となっていました。

 

■ 胸水が多量に貯留すると肺が圧迫され、呼吸困難を引き起こすため、まずは呼吸状態を改善させる目的で、緊急的に胸水を抜去しました。

 

■ 胸水を抜去したことで呼吸状態は改善し、引き続き原因の精査を進めました。

 

 

◆◆ 胸水の検査

 

 

■ 採取した胸水に対して細胞診検査を実施しました。

 

■ 胸水は滲出液(炎症によって血管からしみ出た、タンパク質の多い液体)であり、細菌感染を示唆する所見は認められませんでした。

 

■ さらにリバルタテストを実施したところ、陽性という結果でした。

 

■ リバルタテストは、胸水や腹水がFIPに特徴的な性状を示しているかを評価するための補助検査の一つです。

■ 陽性だからといってFIPと確定できるわけではありませんが、若齢猫で炎症性の胸水が認められた場合には、FIPを強く疑う根拠の一つとなります。

 

 

 

◆◆ 全身検査

 

 

■ 血液検査では、

 

炎症マーカー高値

 

A/G比低下

 

が認められました。

 

 

 

■ 若齢であることに加え、胸水の性状や血液検査の結果を総合すると、FIP(猫伝染性腹膜炎)が強く疑われる状態でした。

 

 

 

◆◆ 心臓の評価

 

 

■ 一方で、胸水が認められた場合には、心疾患の評価も重要になります。

 

■ 心臓の超音波検査では、肥大型心筋症を疑う心筋壁の肥厚と左房拡大が認められました。

 

■ 猫では肥大型心筋症によって胸水が貯留することもあるため、心疾患が呼吸状態に関与している可能性についても慎重に評価しました。

 

■ しかし、本症例では若齢であること、胸水の性状、炎症反応、A/G比低下などから、FIPが主体の病態であり、それに伴って心筋にも炎症が及んでいる可能性を考えました。

 

 

 

◆◆ 治療開始

 

 

■ FIP治療を開始するとともに、心臓への負担を軽減する目的で、心不全治療も併せて開始しました。

 

 

■ 呼吸状態が安定するまでは入院管理とし、酸素化や食欲、循環動態を慎重に観察しました。

 

 

 

◆◆ 治療経過

 

 

■ 治療開始後は徐々に呼吸状態が改善し、入院3日目には自ら食事を摂取するようになりました。

 

■ その後も全身状態は順調に改善し、再検査を実施しました。

 

■ 心臓の超音波検査では、初診時に認められていた心筋壁の肥厚や左房拡大は改善し、ほぼ正常な状態まで回復していました。

 

■ この経過からは、FIPに伴う炎症が心筋にも影響を及ぼしていた可能性が考えられました。

 

 

 

◆◆ 今回の症例について

 

 

🌟🌟🌟 FIPというと腹水が貯留する『 ウェットタイプ 』を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、胸水のみが認められる症例もあります。

 

■ また、胸水が認められた場合にはFIPだけでなく、心疾患や腫瘍、細菌感染などさまざまな疾患を鑑別する必要があります。

 

■ 今回の症例では、胸水の検査、血液検査、心臓検査を組み合わせて評価したことで、病態を総合的に判断することができました。

 

■ 現在は呼吸状態も安定し、元気・食欲ともに良好に経過しています。

 

■ 今後もFIPの治療を継続しながら、心臓の状態についても定期的に評価し、慎重に経過をみていく予定です。

 

 

獣医師 増田正樹

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