【こんな症例も治りますシリーズ 837】『 食欲が落ちたウサギさん ― 原因は“見えない奥歯”でした 』も適切な診断と治療でコントロールします

 

 

ウサギ ミニレッキス 2歳 オス(未去勢手術)

 

 

【 食欲不振 】 が主訴で来院されました。

 

 

◆◆ 来院の経緯

 

 

飼い主様のお話では、

・ 食欲が落ちている

・ 元気も少しない

とのことでした。

 

 

 

■ また、『以前も同じようなことがあって、その時は“食滞”と言われて点滴で良くなった』とのことから、今回も同じ状態ではないかと心配されて来院されました。

 

 

 

 

◆◆ 食滞とは?

 

 

■ ウサギの 食滞(しょくたい) とは、胃や腸の動きが低下して食べ物や毛などがうまく流れなくなる状態のことを指します。

 

■ 原因はさまざまで、

・ ストレス

・ 水分不足

・ 繊維不足(牧草不足)

・ 痛み(歯・内臓など)

・ 基礎疾患

などが関与します。

 

 

■ つまり、『 食滞=それ自体が病気 』というよりは“結果”であり、原因を探すことがとても重要になります。

 

 

 

 

◆◆ 今回の検査

 

■ 今回も食滞が疑われましたが、

『 なぜ食滞になったのか 』を調べるために検査を行いました。

 

 

 

 

◆◆ 口腔内検査

 

■ ウサギは奥歯(臼歯)までしっかり確認しないといけません。

 

 

■ 検査の結果、

臼歯が伸びて尖っている(不正咬合)

ことが分かりました。

 

 

■ この状態では、

・ 頬や舌に当たって痛みが出る

・ 食べる量が減る

・ 結果として食滞を起こす

という悪循環になります。

 

 

 

 

◆◆ レントゲン検査

 

■ レントゲン検査でも、

 

胃腸内に内容物が停滞している所見 が確認され、

食滞の状態であることが裏付けられました。

 

 

 

 

◆◆ 治療

 

■ 原因の一つと考えられた

臼歯の過長・尖り に対して、

専用のヤスリで歯を削る処置(歯科処置) を実施しました。

 

 

■ ウサギの歯は一生伸び続けるため、

このような処置が必要になることがあります。

 

 

 

■■ 内科治療

 

◆ あわせて、

・ 点滴治療(脱水改善・腸の動きサポート)

・ 消化管運動改善薬

・ 鎮痛薬

などを行いました。

 

 

 

 

◆◆ その後の経過

 

治療開始後、

・ 数日で食欲が徐々に回復

・ 自発的に食べるようになり

・ 元気も改善

と、良好な経過をたどりました。

 

 

 

 

■■ この症例から分かること

 

今回のポイントは、

 

『 食滞の裏に“歯の問題”が隠れていた 』 という点です。

 

食滞はよくある病気ですが、点滴だけで一時的に良くなっても原因が残っていると再発します。

 

 

 

■■ まとめ

 

・ ウサギの歯は 一生伸び続ける

・ 特に臼歯は外から見えないため気づかれにくい

・ 不正咬合は食欲不振や食滞の大きな原因になる

そのため、定期的な口腔内チェックがとても重要 です。

 

 

■ ウサギさんの『 食べない 』はとても重要なサインです。 食滞の背景には、歯のトラブルが隠れていることも多くあります。

 

 

■ 一度よくなっても繰り返す場合は、原因の精査が必要です。

 

 

■ 気になる症状があれば、早めにご相談ください。

 

 

 

獣医師 土屋優希哉

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