【こんな症例も治りますシリーズ 659】 『 見逃しがちな子宮疾患 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は『猫の子宮水腫』のエコー画像です。

■ 腹部のエコー画像ですが、黒い円形・楕円形の部分は右側が大腸で、左側が膀胱です。

■ 中央の黒色部分は、『子宮水腫』です。 通常は、猫の子宮はエコー検査では発見しにくいです。

 

 

参照サイト:

https://00m.in/lMtJY

 

猫 ミックス猫 一歳 メス(未避妊手術)

 

 

【 色々な場所でオシッコをしてしまう 】ということで来院されました。

 

 

 

◆◆ 全身検査をしてみると、子宮内に液体貯留が見られました。

 

 

 

■ 猫ちゃんの子宮内に、レントゲン検査やエコー検査の画像検査で『 液体 』が見られた場合は、子宮水腫、子宮蓄膿症を疑います。

 

 

 

■ 子宮水腫は、ほぼ症状は見られません。 子宮に液体が溜まることで、腹囲膨満や、運動性の低下が見られることがありますが、非常に稀です。

 

 

 

■ 子宮蓄膿症は、子宮内に感染が起こる事で引き起こされ、炎症を伴います。 毒素が全身に回って、致死的な状況に陥ることもあります。

 

 

 

■ 血液検査を実施し、白血球数と同時に白血球分画を検査し、好中球数が上昇しているか、などで判断します。炎症マーカー(SAA:急性期マーカー)も判断材料になります。

 

 

 

■ この子はSAA、白血球数ともに正常で、一般状態もよく、子宮水腫が疑われました。

 

 

 

■ 不適切排尿は発情行動からと思われました。

 

 

 

■ 実際に手術してみると、子宮はかなりパンパンな状態でした。子宮内部は透明な液体で満たされていました。やはり子宮水腫だったのでしょう。

 

 

 

 

◆◆ 当院の場合、このような臓器摘出手術が短時間で的確に終える事が出来る『 血管シーリングマシン 』を複数所有しておりますので、今回の手術は最新型の血管シーリングマシンを使用して『 安心安全を第一にして 』手術を終える事が出来ました。

 

 

 

■ 術後も経過がよく、すぐに退院する事ができました。

 

 

 

■ 今後も注意して経過を見ていきたいと思います。

 

 

 

 

獣医師 増田正樹

 

 

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