【お困りではありませんか? アドバイスしますシリーズ 29】 『 ワンちゃんの治りにくい膿皮症と甲状腺機能低下症 』について を紹介します

↑ 上の写真は、何だと思いますか?

■ これは、あるワンちゃんの慢性皮膚炎の皮膚です。

■ このような慢性皮膚炎によって、皮膚が厚くなって黒色化した部分を『 象皮症 』と言うこともあります。

 

 

参照サイト:

https://00m.in/peiQW

 

 

■■■ 『 ワンちゃんの治りにくい 皮膚病 勘違いしやすい病気 』 編

 

 

■ 『 先生、またウチのワンちゃん、背中の毛が抜けてフケみたいなのが出て来たんですけど 』、『 別の病院で膿皮症と言われたのですが、なかなか良くなりません 』。

 

 

◆◆ 膿皮症は、ワンちゃんで良く見られる疾患ですが、時々、『 膿皮症が治らない 』という理由で当院を受診される方がおられます。

 

 

 

■ 膿皮症は、皮膚に常在する細菌が様々な理由により著しく増え、感染を起こしてしまう疾患です。

 

 

 

■ 通常は消毒薬や抗菌薬あるいはシャンプー療法などの治療を行いますが、治療しても、再発を繰り返す症例も少なくありません。 この場合、ホルモン疾患の併発により、免疫力が低下し、感染が起き易くなっていることが考えられます。

 

 

 

■ さて、そのホルモン疾患の一つに、高齢のワンちゃんに見られる甲状腺機能低下症があります。

 

 

 

 

■ 甲状腺機能低下症は一見、気が付きにくい疾患ですが、放置すると免疫力が低下するため、感染性皮膚疾患(膿皮症など)、糖尿病、肝疾患、心臓病、関節疾患などを悪化させる要因となります。

 

 

 

■ そこで、中高齢のワンちゃんで膿皮症が治りにくく、再発を繰り返す症例では甲状腺ホルモンを測定して、甲状腺機能低下症の有無を確認することがあります。

 

 

 

 

■ というのも、甲状腺機能低下症があって膿皮症になっている場合、甲状腺機能低下症の治療を避けて皮膚疾患の改善はあり得ないからです。

 

 

 

 

■ この疾患は、甲状腺ホルモンの産生不足による病気ですので、甲状腺ホルモンを補充する内服薬、レボチロキシンナトリウム剤(チラーヂン錠)を使用しながら、シャンプーや抗菌剤等の治療を行います。

 

 

 

■ ただ、ホルモン剤の副作用としては、過剰なホルモン作用による頻脈、パンティング、元気消失、食欲不振、体重減少が知られているので、まずは通常の半量で開始し、定期的に甲状腺ホルモンをモニタリングしながら最適な用量を維持していきます。

 

 

 

 

■ なお、当院では副作用が気になる方には、例えば心不全を患っているワンちゃんに対しては、副作用の少ない、『 免疫力の向上に有効なオゾン療法等、体調のバランス調整を行う自然療法 』など他院では通常行えない療法も、膿皮症の治療補助として行っています。

 

 

 

お困りの点がございましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

獣医師 泉 政明

 

Page Top