【こんな症例も治りますシリーズ 642】 『 犬のペニスの横が腫れてきた 』も 適切なCT診断と治療で治します

↑ 上の写真は、犬のペニス周囲のCT断面像です。

■ ワンちゃんを仰向けにした股関節周辺のCT画像です。

■ 右の赤の矢印(↑)で囲まれた部分に、手術糸が反応した肉芽腫があります。

■ 左下に赤の楕円形(○)部分に、『CT画像でしか分からなかった肉芽腫』があります。

 

 

 

犬 ミニチュアダックス 2歳 オス(去勢手術済み:他院で手術実施)

 

 

【 ペニスの横が腫れてきた 】ということで来院されました。

 

 

 

◆◆ 基本的な身体検査などを行った後に、細胞診検査を行うために注射針を刺してみると、膿(うみ)が抜けてきました。

 

 

 

■ 膿瘍(のうよう)になっています。

 

 

 

 

■ 膿(うみ)は基本的には細菌がいるのですが、染色検査をしてみると、バイ菌の姿はみえません。

 

 

 

 

 

◆◆ 『 無菌性膿瘍 』です。

 

 

 

■ 無菌性膿瘍の原因としては、免疫異常や異物反応に起因する物が多いと報告されています。

 

 

 

■ 今回の膿瘍の部位として、過去に実施した『 去勢時の縫合糸反応性肉芽腫の疑い 』が強いと考えられました。

 

 

 

 

◆◆ 今回、手術前にCT検査を行ってみると、『 左だけでなく、右にもシコリが出来ている事 』がわかりました。

 

 

 

■ 左右両方に『 シコリがあること 』は、外部からの触診では分かりませんでした。

 

 

 

■ 縫合糸反応性肉芽腫だとすると、去勢時に左右に糸を使用するので、左右に出来る可能性が高いです。

 

 

 

 

◆◆ 今回は、ペニスの脇の左右にある『 しこり 』を切除する手術を行いました。

 

 

 

■ 病理組織検査では、異物もしこりの中からみつかり、やはり『 縫合糸反応性肉芽腫 』の診断結果でした。

 

 

 

 

※ ミニチュアダックスや、レトリバー系のワンちゃんには、この『 手術で使った縫合糸による異物拒絶反応 』が多いのです。

 

 

 

 

※ 当院では、ミニチュアダックスを中心に『 なるべく腹腔内に縫合糸を使わない特殊手術 』をお勧めしています。

 

 

 

 

■ 悪性腫瘍でなく、反対側の『 シコリの見逃し 』も無く、安心できました。 今回は、他院が過去に行った手術痕でしたが、人の振り見て我が振り直せの精神で、このような事が起こらないように『 細心の注意を払って 』手術は行いたいです。

 

 

 

■ このワンちゃんに関しては、今後も気をつけて経過を見て行きたいと思いました。

 

 

 

獣医師 増田正樹

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