【こんな症例も治りますシリーズ 571】 『 猫のぶどう膜炎 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、ネコちゃんの前眼房出血です。

■ 前ぶどう膜という、瞳孔周囲から出血した可能性が高いです。

■ 詳しくは、本文をお読みください。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3EIVAYs

 

猫 ミックス猫 5歳 オス(去勢手術済み)

 

 

【 眼が赤く、涙や目ヤニがでる 】とのことで来院されました。

 

 

◆◆ 飼い主様からお話を伺ってみると、『 2日前から右眼をしきりに気にするようになり、そのうち白眼が充血してきて今日は目ヤニもありました 』とのことでした。

 

 

■ ワンちゃんのぶどう膜炎については、過去に書いた通りですが(【こんな症例も治りますシリーズ】No.545) 、ぶどう膜炎は.ネコちゃんにもみられる疾患です。

 

 

■ ただ、ネコちゃん場合の原因は、約70%が原因不明の特発性(原因の特定ができない)とされています。

 

 

■ 次いで感染症(猫伝染性腹膜炎(FIP)、猫白血病ウイルス感染症(FeLV)、トキソプラズマ、バルトネラなど)、や猫同士のケンカなどによる外傷や、腫瘍、角膜潰瘍、水晶体脱臼なども知られています。

 

 

■ したがって、眼検査の他、血液検査、画像診断などを行う場合もあります。

 

 

 

 

◆◆ ブドウ膜炎の治療は炎症を抑えるステロイド剤が主な治療手段になりますが、感染がある場合にはステロイドの使用によって症状が悪化する場合があるため、非ステロイド系の消炎剤を点眼します。

 

 

 

■ さて、このネコちゃんの場合、眼検査をしてみると(今回は元気・食欲があり、猫免疫不全ウイルス感染症(FIV):/猫白血病ウイルス感染症(FeLV)は陰性のため血液検査は未実施です)、右眼に流涙、羞明、縮瞳がみられ、さらに前眼房で出血が認められました。

 

 

 

■ また、フルオレセイン染色検査で、角膜に傷があることがわかりました。

 

 

■ スリットランプ検査により、前眼房にフレアがみられ、眼圧測定では眼の眼圧が低いことがわかりました。

 

 

■ これらのことから、『 外傷性ぶどう膜炎 』と暫定診断し、外的な力で目を傷をつけた可能性も考えられたことから、大きい意味で『 ぶどう膜炎」と診断し、非ステロイド系の消炎剤、また二次的な細菌感染も考慮して、抗生剤および粘膜保護の点眼薬を処方しました。

 

 

 

 

■ 2週間後、来院していただくと『 先生、眼が赤いのも、涙目もなくなり、良くなりました 』と嬉しそうにお話下さいました。

 

 

◆◆ 検査すると、右眼の充血、縮瞳もなくなり、眼圧も正常に戻っていました。

 

 

■ 気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

 

獣医師 泉 政明

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