【こんな症例も治りますシリーズ 566】 犬の『 急性膵炎・難治性膵炎 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上のイラストは、正常の胃・膵臓と、膵炎像です。

◆ 左が正常の胃と膵臓です。

◆ 右は、胃と膵炎像です。 赤くなっている部分は膵臓の炎症部分です。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3j80KFU

 

犬 ボストンテリア 6歳 メス(避妊手術済)

 

 

【 朝から元気がなく,3回吐いて、1回下痢をした 】とのことで来院されたワンちゃんです。

 

 

◆◆ 来院時は、元気がなく、具合が悪そうな様子でした。

 

 

■ そこで、まず血液検査、レントゲン検査と超音波検査をさせて頂きました。

 

 

■ 血液検査では肝細胞障害、肝機能や腎機能に大きな異常は見られませんでしたが、脱水を示す値が見られました。

 

 

■ また、嘔吐が特徴的な病気として急性膵炎が疑われましたので、その診断に有用な【 犬膵特異的リパーゼ(c-PL)という特殊血液検査 】をさせて頂き、その値が高いことが判りました。

 

 

 

膵炎です。

 

 

 

■ レントゲン検査、超音波検査では、胃にガスが貯留していましたが、消化器管の閉塞像は見られませんでした。

 

 

 

 

■■ 幸い,急性膵炎には2018年に認可された効果の強い治療薬があります。

 

■ 通常5日間連続で使用することで回復することがわかっています。

 

■ 今回もこの薬を使わせていただき、翌日には元気も出てきて、嘔吐もなく食欲も出てきました。

 

■ そして、6日目にはすっかり元通りの状態に戻ることができました。 (この治療方法は、他院でも特効薬さえあれば可能です)

 

 

 

 

◆◆ 急性膵炎は様々な臓器障害を併発し、内臓疾患の中でも死亡率の高い病気です。

 

 

■ 症状は激しい腹痛、嘔吐や下痢を示す場合や、今回のように軽い嘔吐・食欲不振のようなケースもありますので注意が必要です。

 

 

 

■ 原因も様々で、脂肪の多い食事や肥満,内分泌疾患からの併発等から発症します。

 

 

 

■ また、回復後も慢性膵炎や他の内臓系疾患を発症してしまうこともあります。

 

 

 

◆◆ この膵炎特効薬を用いても、なかなか治らない、あるいは再発を繰り返す難治性膵炎のワンちゃんネコちゃんには、当院では3通りの治療方法があります。

 

◆ その1) 『 ドイツ自然医学療法 』の応用方法を用いる療法です。 副作用が出る事も無く、難治性慢性膵炎に向いています。

 

◆ その2) 『 再生医療薬 』の応用方法の療法も、大変に好評です。 遠方からもこの療法を求めて来院下さるご家族が複数おられます。

 

◆ その3) 上記を用いても難しいケースは、別の統合医療の療法を用います。 他院で匙を投げられた症例には、救いの一手として喜ばれている療法です。

 

 

 

 

■■ 今回のワンちゃんの場合、当初、原因がよくわからなかったのですが、よくお話を聞いてみると、3Kg以上の大袋のドッグフードが残り少なく、時々封も開いていたそうで、フード自体の油が酸化して痛んでいた可能性があることがわかりました。

 

 

 

■ フード自体が消費期限内であっても封を開けっぱなしにしていたり、保存場所が高温多湿であったりするとすぐにフードの油が痛んで、ワンちゃんネコちゃんが消化器病になってしまうことが少なくありません。

 

 

 

■ フードの保存には十分注意してください。できれば小分けに真空パックにして、冷凍庫での保管をお薦めします。

 

 

 

 

獣医師 天野雄策

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