【こんな症例も治りますシリーズ 526】 高齢犬の誤嚥性肺炎 も 適切な診断と治療で治します

上の写真は、ワンちゃんの胸部レントゲン画像です。
■ 向かって左側が『右肺』です。 右側が『左肺』です。
■ 右肺の中央部の白い部分(中葉)は、誤嚥性肺炎の際に白くなる場所です。
■ 通常、誤嚥性肺炎では、ここまで白くなる事はありません。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3dq0i2A

 

犬 ボーダーコリー 16歳 メス

 

 

【 喉のあたりがゼロゼロする様になってしまった 】ということで来院されたワンちゃんです。

 

 

◆◆ 数年前からてんかん様発作の治療薬や、慢性膵炎の治療薬などを内服しているワンちゃんですが、高齢のため徐々に立てなくなり最近は寝たきりとのことでした。

 

 

■ 食事も介助が必要になってきたある日、喉のあたりがゼロゼロする様になってしまいました。

 

 

■ その数日前に『 食べ方がおかしいと思った 』事があり、飼い主様はその時誤嚥してしまったのではないかと心配になり来院されました。

 

 

■ 来院時の呼吸は努力性で、とても苦しそうでした。

 

 

★ 酸素吸入をしながら胸部レントゲン撮影をしたところ、右肺の中葉領域が白くなっていて、肺炎の所見が確認できました。

 

 

★ 飼い主様のお話からも、おそらく誤嚥性肺炎が強く疑われました。

 

 

 

 

 

 

■■■ 誤嚥性肺炎は、食べ物や嘔吐物の胃酸などが気管内に入り炎症を起こしてしまう肺炎です。

 

■ 治療は、酸素吸入やお薬を気化させて吸わせるネブライザー治療、静脈点滴、併せて気管支拡張剤、去痰剤、抗生剤などの投薬が望ましいです。

 

 

★ 高齢犬では寝たきりの子でなくても誤嚥しやすく、特に強制給仕をしている場合は気をつけなくて
はなりません。

 

 

★ 食事を与える時は、頭を起こして高めの位置で食べさせるなど工夫が必要です。 また強制給仕の時は、確実に嚥下を確認してから次のご飯を与えるなど、ゆっくり食べさせることも重要です。

 

 

 

■ 動物さんの高齢化に伴い、介護が必要なケースが増えてきています。

 

 

 

■ ご心配な事がございましたら、様子を見ずにお早めにご相談ください。

 

 

 

 

獣医師 新井澄枝

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