【こんな症例も治りますシリーズ 492】 猫ちゃんの腹部腫瘤 も適切な診断と治療で治します

上の写真は、猫の膵臓がんのCT画像です。
★ この子は、膵臓右葉から発生した悪性腫瘍でした。

 

 

参照サイト:

https://bit.ly/384KRu5

 

 

猫 日本猫 10歳 メス (避妊手術済み)です。

 

【 他院で腹腔内にシコリがあると言われた 】とのことで来院されました。

 

 

 

◆◆ 症状として、ここ一ヶ月嘔吐があるとのことです。

 

■ レントゲンと超音波検査を行ったところ、上腹部に直径約4CMの塊状病変を認めました。

多少の腹水も出ており、腹腔内の炎症が示唆される所見です。

 

 

■ この時点で、膵臓腫瘤、リンパ腫、遺残卵巣腫瘍、起源不明肉腫、もしくは避妊手術後のガーゼの置き忘れが考えられましたが、今一つ、腫瘤の発生部位が特定できなかったため、CT検査を行うこととしました。

 

 

 

 

 

■ 臓器を立体的に把握できたり、詳細な肺転移の有無、リンパ節転移の可能性を確かめるために、このような時にはCT検査は有用です。

 

 

◆◆ CT検査を行ったところ、塊状病変は膵臓の左葉から発生しているようです。

 

■ 『 膵臓左葉にできた悪性腫瘍 』が疑われます。

 

 

 

■ 飼い主様は腫瘍の摘出を希望されたため、後日手術を実施いたしました。

 

 

 

 

◆◆ お腹を開けてみると、膵炎も起こしており、これが腹水の原因となっていました。

 

 

■ 腫瘤の摘出自体は癒着が激しかった以外は、特殊な高度医療機器を用いたためにスムーズに行えましたが、術後に膵炎の管理を注意し行う必要があります。

 

 

★ 病理組織検査は、『 膵臓癌 』の診断結果でした。

 

 

 

■ 猫の膵臓癌は、非常に稀ですが、転移率が高く、生存期間も短いと言われています。

 

 

 

■ 手術後は鼻からカテーテルを入れての強制給餌、鎮痛療法、点滴輸液療法を十分に行い、自力で食事できるようになりました!

 

 

 

■ 今後は抗がん剤による化学療法、血液検査、超音波検査を実施し、経過観察を行っていく予定です。

 

 

 

■ 慎重に診ていきたいと思います。

 

 

 

獣医師 増田正樹

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