【こんな症例も治りますシリーズ 490】 ワンちゃんの頸椎椎間板ヘルニア も適切な診断と治療で治します

上のイラストは、椎間板ヘルニアの典型的な像です。
★ 左側は、椎間板のカプセルが破れて、内容物(髄核)が脊髄を圧迫しているハンセンⅠ型です。
★ 右側は、椎間板のカプセル(繊維輪)が破れずに、カプセル全体が脊髄を圧迫したハンセンⅡ型です。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3JJ90UN

 

犬 イタリアングレーハウンド 6歳 オス (未去勢手術)です。

 

 

【 3週間前、散歩中に左前肢が動かなくなり、二次医療の高度医療救急医でMRI検査を実施し、頸椎の椎間板ヘルニアと診断された。 内服薬(痛み止め、ステロイド)を処方されたが良くならなかった。 手術を提案されたが、できれば手術は避けて別の治療法をトライしてみたい 】とのことで来院されたワンちゃんです。

 

◆◆ 以前のブログでも書かせて頂きましたが、犬の背骨はたくさんの椎骨という骨が連なって構成されています。

 

★ その椎骨と椎骨の間には『 椎間板 』と呼ばれる薄い軟骨性の物質があります。

 

★ 椎間板は背骨に加わる衝撃を吸収するクッションの役割をしています。

 

★ この椎間板に強い衝撃が加わったり、老化などで椎間板が変性して弾力性を失ったりすると、椎間板が背側に飛び出して脊髄や神経を圧迫し色々な症状があらわれます。

 

★ これが『 椎間板ヘルニア 』です。(上のイラストを参照して下さい)

 

 

 

◆◆  椎間板ヘルニアは、以下のグレードⅠ ~ Ⅴ に分けられます。

 

グレードⅠ:痛みのみ

 

グレードⅡ:不全麻痺(歩行可能)

 

グレードⅢ:不全~全麻痺(歩行不可能)

 

グレードⅣ:全麻痺、自力排尿可or不可、足の痛み(痛覚)はあり

 

グレードⅤ:全麻痺、自力排尿不可、足の深部痛覚の消失

 

 

 

■■■ 治療は、グレードⅣ以降は精密な画像診断を実施したのちに、早期の外科的治療が必要になる場合もありますが、グレードⅢまでは画像診断の後に、内科的治療(安静や消炎鎮痛剤の処方、鍼)を行っていくことも多いです。

 

★★★ 当院は、外科療法だけでなく、特殊な内科療法の両方が出来る病院であり、外科手術の後に『ハイブリッド鍼灸療法』を用いる事で、好成績を得ています。

 

 

■■ 今回のワンちゃんは、二次医療施設でのMRIまでの検査をしておりましたので、当院での神経検査等の結果から『 頸椎椎間板ヘルニア(第5~第6) 』グレードⅡと診断しました。

 

★ よって、通院治療によるウルトラフォトニックバランサー(UPB)療法を選択させていただきました。 UPB療法は、キセノンという光線を3か所以上のツボに照射します。 キセノン光は体の深部にまで到達し、細胞を活性化してくれます。 筋肉や神経に作用し痛みも軽減します。

 

 

★★★ 他社の医療機器でキセノン光治療器がありますが、当院のUPB治療器には特殊な器具を介した光線療法が出来るので、治療効果が高まります。

 

実際に、特殊な器具を介さないキセノン光治療を行った時と比べて、効果の点でかなりの差があります。

 

 

 

 

■ ご家族の協力もあり順調に回復し、約2ヶ月後にはいつも通りに歩くことができるようになりました。 現在は、再発予防のためにUPBを続けておられます。

 

 

■ ただ今後も同じようなことを起こすリスクがありますので、激しい運動は控えめにする、体重を適切に管理するなど背骨に負担をかけない生活をお願いしました。

 

 

■ また抱っこの仕方も注意したい点の一つです。 犬の上半身だけ支えて腰を宙に浮かせるような姿勢で抱っこすると、腰に負担がかかってしまいます。 背骨が地面と水平になるように、身体全体を支えるようにして抱えてあげてください。

 

 

■ 何か歩行状態が変だなと気付かれた場合、すぐにご来院ください。

 

 

 

獣医師 天野雄策

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