【こんな症例も治りますシリーズ 418】 ワンちゃんの食道閉塞物 も適切な診断と治療で治します

犬の食道内に、呑み込んだ骨が詰まってしまった写真です。
骨を取り出した後にも、後天性の食道狭窄が起こりやすいです。

 

 

参照サイト:

https://bit.ly/2R7BocI

 

 

犬 12歳8ヵ月 未去勢オス

 

 

【 夜の散歩の後、元気がなくなり水を飲んでも吐く 】とのことで来院されました。

 

 

■ お話を聞くと、昨夜、散歩中、草むらで何かかじった音が聞こえた(暗くてよく判らなかった)、ということでした。

 

 

■ そこでまず、レントゲン検査をさせて頂き、その結果、食道内に何かが詰まっている可能性が判りました。

 

 

 

■ さらに当院が所有する【Cアーム】という特別なレントゲン撮影装置(動画撮影記録装置付き)で、造影剤を用いて食道内の流れを確認したところ、明らかに異物が詰まっていることと閉塞部位が判りました。

 

 

■ このままでは口から何も摂取できませんので、何らかの方法で取り除いてあげることが必要です。

 

■ 次に、閉塞物の正確な確認の為に、麻酔下で内視鏡カメラを用いて釣り上げてみましたが、異物が大きすぎて釣り上げはできませんでした。

 

 

 

■ そこで、常法通り、そのまま内視鏡を用いて異物を胃内へ押し出すようにして移動しました。 この際に、注意深く行わないと食道を傷付けてしまい、穴を開けてしまうと難易度の高い手術を行わないといけないので、コツが必要です。

 

 

# この際に、次に起こる可能性が高い【 食道狭窄 】を予防出来るかも、腕の見せ所です。

 

 

■ その後、直ぐに手術で胃を切開して、異物を摘出することができました。 閉塞物は、何と骨付きフライドチキンだったのです。

 

### チキンは、斜めに骨が砕けやすいので、骨の先端がナイフのようになります。 このナイフ状になった部分で消化器官を突き刺す事も報告されています。 ご注意ください。

 

 

■ 現在は退院されて今まで通り、元気にお散歩できるようになりました。

 

■ 夜の散歩では、暗い公園等は草むらに何があるか判りません。 明るい道を選んで散歩させてください。

 

 

■ そして、何か変なものを食べてしまって元気が無くなり嘔吐を繰り返す様でしたら、躊躇することなくご来院ください。

 

 

獣医師 天野雄策

 

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