【こんな症例も治りますシリーズ 415】 猫ちゃんの嘔吐が止まらない も適切な診断と治療で治します

猫ちゃんはワンちゃんに比べて腎臓病になりやすいのです。 43匹に1匹が腎臓病になります。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3dCy56t

 

 

猫 10歳 去勢オス

 

 

【 嘔吐が止まらない 】とのことで来院された猫ちゃんです。

 

 

■ 飼い主様からお話を伺ってみると、嘔吐が気になりだしたのは3年くらい前からで、それがだんだん頻繁になってきて、ここ1年間では週に5~7日間、時には1日に数回吐くようになったとのことでした。

 

 

■ そして、これまでは、それでも元気があるので病院に連れてこようとは思っていなかったそうですが、体重が減りだしたこともあり、一度病院で診てもらおうと当院に来院されました。

 

 

 

■ 慢性的な嘔吐の原因としては、食道炎、胃炎、内臓疾患(肝不全、糖尿病、膵炎、腎臓病など)、感染症、中枢神経疾患などが考えられます。

 

 

 

■■ さて、このネコちゃん、完全な身体検査、血液検査及びレントゲン検査を行ったところ、血中尿素窒素(BUN)・クレアチニンの数値が正常値よりいずれも3倍以上の値を示していたことから、追加試験として尿検査、尿蛋白精密検査(UPC)を実施し、総合的に判断した結果、グレード3のかなり悪い慢性腎臓病であることが分かりました。

 

■ 「猫の慢性腎臓病」は、当院のブログ2021年2月【新 当院の特徴ある医療シリーズ 15】に詳しく書いてありますのでそれを参照していただければと思いますが、少しだけお話すると、腎臓病になるとカラダの中で作られるBUNやクレアチニンなどの老廃物を尿として体外に排泄する能力が低下するため、体内に有害な物質が溜まってしまいます。

 

★ 有害な物質が体に悪い影響を与えるわけですが、このネコちゃんの嘔吐も老廃物が原因と考えられます。

 

 

■■ 慢性腎臓病の場合、機能が低くなった腎臓をお薬などで回復させることはできないので、これ以上、腎臓が悪くならないよう療法食による食事管理と嘔吐や体重減少を回復させ、QOL(生活する上での質的向上)をあげるための治療が重要になってきます。

 

 

■ 今回の場合も、まずは腎臓病の進行を防ぐため療法食を処方する事とし、さらに当院で前から実施している、副作用がなく、QOLを上昇させる効果がある「ドイツ式自然療法」を治療に用いることにしました。

 

■ 2回目の治療が終了した時に、飼い主様が「週に1回しか吐かなくなった」とうれしそうにお話下さいました。 また血液検査を実施したところ、BUNが激減していましたので、嘔吐が少なくなったのはそれが原因と考えられました。

 

 

■ 治療はもう少し続きますが、最近では食事のムラもなくなり、1日2回、きっちりと療法食を食べられるようになったとのことでした。

 

 

 

■ 何かお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

獣医師 泉 政明

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