【こんな症例も治りますシリーズ 414】 猫ちゃんの歯が割れている でも抜歯したくない状況に 適切な診断と治療で治します

猫ちゃんの上顎です。
向かって左側が、前歯です。
その次の列に大きな歯があるのですが、これが犬歯です。
上側の歯が割れている状態で、下側の歯は健康です。
今回は、割れた部分に歯内治療を行って温存療法を行いました。

 

参照サイト:

https://bit.ly/2OYAKxC

 

猫 5歳7ヵ月 去勢オス

 

【 唇に傷ができた 】とのことで来院された猫ちゃんです。

 

 

■ お口を診察すると左側の下唇に出血があり、左上顎の犬歯が斜めに折れていました。

 

■ 大きな物音がした後、少しパニックになったように走っていたそうなので、おそらくどこかに顔をぶつけてしまったのでしょう。

 

■ 犬歯は、歯髄が少しみえているようでした。 歯髄には神経、血管があるので放っておくと感染症を 起こしまいます。その場合は神経を抜いて詰め物をする根管治療が必要になります。  または、歯茎を切開して歯槽骨という骨をドリルで削って抜歯しなくてはならない事もあります。

 

 

■ 幸いにも歯が折れてすぐに来院されたため犬歯は温存し、歯髄を特殊な方法で保護して、コンポジットレジン等で歯冠修復をすることができました。

 

 

 

■ 犬歯は短くなってしまいましたが、歯茎を切開したり骨を削ることもないため、猫ちゃんに痛みを与えることも最小限に抑えられたと思います。

 

■ 歯の破折は、ワンちゃんで多く見られます。

 

 

※ 硬いものをかじって折れてしまうケースが多いようです。

ヒヅメや硬いガム、おもちゃは要注意です。

 

 

■ また、歯の破折は、犬歯よりも奥歯で多く見られます。 普段から歯のチェックをして奥歯もしっかり見てあげてくださいね。

 

 

■ 当院では年に一度、無料歯科健診も行っておりますのでぜひご利用ください。

 

 

 

獣医師 新井澄枝

 

 

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