【こんな症例も治りますシリーズ 402】 ネコちゃんの治りにくい クシャミ も適切な診断と治療で治します

猫ちゃんのお鼻から、光ったものが出ています。 これが鼻汁です。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3b4C4HL

 

ネコ 4歳 オス(去勢済) です。

 

【 鼻水、くしゃみが治らない 】とのことで来院されたネコちゃんです。

 

 

■ 飼い主様からお話を伺ってみると、昨年の10月くらいから鼻水、くしゃみ、目ヤニが出ることから近院で診てもらうも、中々、完治しないことから来院されました。

 

■ ネコちゃんの症状から鼻炎の疑いが考えられます。 鼻炎を起こす原因は感染症によるものが多く、ウィルス、細菌感染や真菌(カビ)感染が考えられます。 また、感染症の他に、最近ではヒトと同様、花粉やハウスダスト、イエダニ等によるアレルギー性鼻炎や、刺激性の薬品・煙・異物の吸引、腫瘍によっても鼻炎を起こすことがあります。

 

 

■ さて、このネコちゃん、当院でも完全な身体検査を行う中、触診により、鼻骨や顔面骨に腫脹や疼痛は認められませんでした。 したがって鼻腔内の腫瘍等は一旦除外することにして、次に感染症を除外するため、呼吸器感染パネル検査を行いましたが、ウィルスや細菌に対して特に異常は見られませんでした。 

 

※ 感染症の疑いに対しては近院の動物病院でもお薬を処方していましたが、効果が今一つとのことでしたので、原因をハッキリさせるための呼吸器感染パネル検査でもありました。

 

 

◆◆◆ 当院ではPOMR式診断法を採用しております。 ある症状に対して考えられる病名をリストアップし、必要な検査を実施することで鑑別して正確に診断する方法です。 一見、遠回りの様に見えますが、一つ一つしっかりと情報を得ながら取捨選択することで見落としない診断が可能となります。

 

■ 残るは、アレルギー性鼻炎です。 アレルギー反応試験を行った結果、牛乳、牛肉、カツオ、各種植物に対して反応していることが分かりました。

 

★ よって、診断名は【 ネコのアレルギー性鼻炎 】が強く疑われます。

 

 

■ 飼い主様に、検査結果を見せながらお話を伺うと、猫ちゃんに【 ミルクとヨーグルト 】をおやつに与えていたこと、【 カツオ味のチュール 】と、植物の花粉なども来る可能性がある風通しの良いところでの日向ぼっこが、大好きとのことでした。

 

■ 根治を目指すなら、まずはアレルゲン(抗原・アレルギーの原因物質)である乳製品やカツオが含まれる食品、また植物からの回避が重要となります。

 

 

■ 治療はこれからですが、原因がわかり完治に向けての目標ができたと、飼い主様がうれしそうにお話下さいました。

 

■ これからも、飼い主様と一緒になって動物さんの健康と幸せを見守っていければと思います。

 

 

獣医師 泉 政明

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