【こんな症例も治ります シリーズ317】犬の歯周病と歯折(破折)も適切な診断と治療で治します

茶緑の部分が歯石です。 その上に丸日を帯びたピカピカしている部分がありますが、これは歯周病のサインです。

参照サイト:

https://bit.ly/2W2jB5m

 

 

犬 メス 9歳

 

【 口をクチャクチャするようになり、口臭も臭くなってきた 】とのことで来院されました。

 

■ 口臭が臭くなるときに一番に考える原因は歯周病です。

 

■ この子は歯肉が赤くなっており、また歯肉がモリモリ増生していました。 歯石も沈着していました。

 

■ 歯垢検査(口の中にどれくらい細菌が増殖しているかを顕微鏡で確認する検査です)では、細菌がかなり増殖していました。 その中には、歯を溶かしてしまうなど、悪さをする菌も認められました。

 

■ 頭の通常レントゲン検査では、歯が溶けてしまっている像も確認されました。 ですが、歯肉がモリモリしているところは、この検査では詳細なことが分かりませんでした。

 

■ そこで、歯石除去を行う方針になりました。 麻酔をかけ、歯石除去する前に、歯科用レントゲン検査をしました。 通常のレントゲンと比べて、歯科用デジタルレントゲンは、歯の状況がより詳細にわかります。 この子の歯肉の中の状態は、歯肉の中に歯が埋もれていました。 歯が腐り、折れてしまい、そこに感染・炎症が起き、歯肉が増生してしまっていたということになります。 そこで、歯石除去に加え、歯肉の中に埋もれた歯を除去し、歯槽骨という除去した歯を支えている骨の洗浄を行いました。

 

■ この処置により、この子は口の症状が一切なくなり、口臭もなくなりました。

 

■ 当院の歯石除去は、ただ除去するだけでなく、その子に合った歯の処置をしますので、とても綺麗な口になり、また再発予防にもなります。

歯石を放置してしまうと、どんどん菌が増殖し、歯を腐らせるだけでなく、その菌が全身に行ってしまうリスクも出てきます。

 

■ また最近の研究では、動物さんの口にいる薬剤耐性菌(普通は人の腸にはいない菌)が、飼い主の腸にも見つかりました。 とても怖いですよね…。 つまり、これは動物の口を綺麗に保つことは人の健康を維持することにも、繋がるということです。

家族の健康を維持するためにも、一度歯石除去は考えて頂きたいです。

 

■ 見た目が綺麗でも、実は細菌がいっぱいということもあります。 口臭が気になるときはもちろん、綺麗そうな歯でも、一度病院での検査をお勧めします。 それにより、動物さんの健康寿命もUPするかもしれません!

 

獣医師 湯本優希

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