【 こんな症例が治ります シリーズ 195 】 猫ちゃんが突然の顔の腫れ! も的確な治療で治します。

 

 

 

 

 

 

参照サイト:

https://goo.gl/4kyLCU

 

ネコ 6歳 オス (去勢手術済)

 

【 突然左側の顔が腫れてきてしまった 】というネコちゃんです。

 

■ 左の鼻から目頭、および額が腫れあがってしまっている状態でした。

右の口唇をめくってみると歯は軽度に歯石が付着しており、左の口唇はめくろうとすると、とても嫌がりしっかりと視診が出来ない状態でした。

 

■ レントゲンを撮ってみると、鼻の中の構造に異常はなく、皮膚が腫れあがってしまっているような状況でした。

血液検査も行ったところ、身体の中で炎症が起きている際に上昇してくる数値が跳ね上がっている状況でした。

 

■ 経過がかなり急なので、アレルギーの可能性も考え、抗アレルギー剤および抗生剤を投与しました。

 

■ 翌日、「やっぱり腫れたままで、皮膚がブヨブヨし、腫れている範囲が広がってきてしまった」とのことで再度来院されました。

 

■ 患部の痛みが強く、しっかりとした視診が出来ない状況で手探りの治療になってしまう恐れがあったため、急遽、鎮静下で視診および治療をさせていただくことになりました。

 

■ すると、左上顎の犬歯が折れて、歯髄(血管や神経がある部分)が露出しており、犬歯の根元に大きなしこりがありました。

 

■ 状況から考えると犬歯が折れたことにより、歯髄から口腔内の菌が大量に入り込み、そこから顔面の皮下に菌が繁殖した結果、膿となり、左側の顔面から額にかけてたくさん膿がたまったため、ブヨブヨしていたと判断しました。

 

■ また、犬歯の根元のしこりに小さな穴をあけ、顔面のブヨブヨしている部分を押すと、穴をあけた部分から大量の膿が出てきて、顔面のブヨブヨしている部分は元に戻りました。

膿は30ml以上抜けました。

 

■ 膿は出せるだけ出したものの、露出している歯髄をなんとかしない限り、また口腔内の菌が入り込み、皮下に膿が溜まってしまうため、急遽、歯石除去、犬歯の抜歯、および皮下の膿を綺麗に洗い流す処置を行いました。

 

■ 手術後は再び顔が腫れる事はなく、血液検査でも炎症を表す所見はなくなりました。

 

■ 今回の事を通して、ネコちゃんのお口がどれだけ汚いか、改めて認識するきっかけになりました。 ネコちゃんのお口のケアについて、ご相談があれば、お気軽にスタッフまでお尋ねください(^^)/

 

獣医師 新美綾乃

 

 

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