【 こんな症例が治ります シリーズ 196 】 犬の皮膚組織球腫 も的確な診断と治療でコントロールします。

 

 

 

 

 

参照サイト:

https://goo.gl/ccRTSW

 

 

 

イヌ 2歳 オス(不妊手術実施済) です。

 

【 前足を気にして舐めている 】とのことで来院されたワンちゃんです。

 

■ 舐めている部分を見せて頂くと、左前足に直径1cm弱の腫瘤(おでき)が出来ており、その表面が赤くなっていました。

 

■ どうやらこのワンちゃんは、おできが気になり舐めているうちに、その部位に炎症が起きてしまったようです。

 

■ まず、腫瘤の表面の状態を検査させて頂くと、細菌が大量に増えてしまっている事がわかりました。 この細菌の増殖は、あくまで【 皮膚を舐める事により二次的に生じた 】ものであり、根本的な治療をするには前足の腫瘤を調べる必要があります。

 

■ そこで、この腫瘤の【 細胞診 】検査をさせて頂くことになりました。 細胞診とは、腫瘤に針を刺し、その中に入ってきた細胞を調べる検査です。 腫瘤がどんな細胞からできているかを見る事で、腫瘤の種類を推測することができます。

 

■ 【 100%確実に診断がつく検査ではない 】ですが、全身麻酔などの必要性がないため、手術で腫瘤を切除する場合に比べて、【 身体への負担は少ない 】のが特徴です。

 

■ 細胞診の結果、この腫瘤は【 皮膚組織球腫 】という若齢のワンちゃんでよく発生する、良性の腫瘍であることが分かりました。 この腫瘤は、外科的に摘出しなくても2週間から1ヵ月ほどで自然に治ってしまうことが多いです。 中には小さくならずに残ってしまうこともあるので、その場合は手術で摘出することもあります。

 

■ この子の場合は、表面の細菌感染をコントロールし、舐めないようにエリザベスカラーをして様子を見て頂いたところ、1ヵ月ほどで腫瘤が綺麗になくなりました。

 

■ 中には検査の結果、悪性腫瘍が疑わしく、手術が必要になることもあります。 皮膚におできを見つけたら早めに病院までご相談ください。

 

獣医師 齋藤隆太

 

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