【 こんな症例も治ります シリーズ 194 】 ワンちゃんの尿石症 も的確な治療で治します。

 

 

 

 

参照サイト:

https://goo.gl/XS81du

 

 

イヌ 6歳5ヶ月 オス(未去勢)

 

【 おしっこの出が悪い 】というワンちゃんです。

 

■ 触診してみると、膀胱がパンパンで、お腹を触られるのをとても嫌がる様子でした。

 

■ レントゲン撮影をしてみると、陰茎の付け根の尿道部分に直径5mm程の石が引っかかってしまっていました。

 

■ 陰茎の先から膀胱内に向けて尿道カテーテルを入れようとすると痛みがあるようで、石から先にカテーテルを進める事も、石を陰茎の外に吸い出すこともできない状況でした。

 

■ ワンちゃんが力んでしまうこと、ワンちゃんへの負担がかかってしまうことを考慮し、急遽鎮静をかけて、負担を最小限にした状態での処置をすることになりました。

 

■ 鎮静をかけて処置を行うと、石は膀胱の中へスルスルと送り届けることが出来ました。

 

■ 鎮静前は、局所麻酔薬で痛み止めを行っていましたが、ワンちゃんが力んでしまうことにより、筋肉が硬直して石が後にも先にも引けない状態になってしまっていたのです。

 

■ 石が食事で溶解できないタイプの物の可能性が高かったため、後日、膀胱切開手術をして、尿道結石を取り出しました。

 

■ 同時に、未病予防も兼ねて、去勢手術、歯石除去も同時に行わせていただきました。

 

■ 尿石が出来る時は2パターン考えられます。

 

1)1つは、腎臓が悪くなった結果、カルシウムとリンのバランスが崩れ、石が出来てしまう場合です。

 

2)もう1つは、腎臓に問題はないが、食事の種類などや、体質的に石が出来てしまう場合です。

 

■ 血液検査上で腎臓の指標になるものは、主に【クレアチニン(Cre)】です。

しかし、クレアチニンは腎臓の75%以上が障害を受けた時に初めて上昇してくるものなので、腎臓の異変に早期に気付いてあげられないことがあります。

 

■ 当院では、腎臓が40%ダメージを受けた際に上昇してくる腎機能マーカーを、動物さんの負担なく測定するシステムを導入しています。 既存の検査よりも早期に腎臓病を検出するきっかけとなる画期的な腎機能検査であり、腎臓病への早期介入と効果的な管理をサポートすることが出来ます。

 

■ 腎臓は悪くなると、回復し難い臓器です。

 

早期に動物さんの異変に気付き、早期に治療を開始することが、長期的視野で考えた時に動物さんの負担が一番少ないですので、定期的に測定する事をオススメします(=^・^=)

 

獣医師 新美綾乃

 

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