【 こんな症例が治ります シリーズ 140 】 僧房弁閉鎖不全症 も的確な診断と治療でコントロールします。

キャバリアKCSは、僧帽弁閉鎖不全症が多い犬種です

参照サイト:

http://urx.mobi/qxQr

 

 

イヌ 14歳 メス(避妊手術実施済) です。

 

【 定期的なお手入れで来院されたワンちゃん 】です。

 

■ 健康状態には全く不安はないとの事でしたが、心臓の音を聴診している際に通常の心臓ではあまり聞こえる事のない【心雑音】が聴取されました。

 

■ 【心雑音】は心臓病の時に聞こえる事がある異常な心音です。

この子は心臓病を疑うような見ための症状はありませんでしたが、念のため検査をさせて頂くことになりました。

 

■ 【レントゲン検査】【心電図検査】【超音波検査】を実施したところ、僧房弁閉鎖不全症という高齢のワンちゃんに最も多く見られる心臓病になっていることが分かりました。

 

■ 心臓には右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋があり、身体全身へ血液を送るポンプの役割をしています。 血液は身体の各臓器から・・・【右心房→右心室→肺に行って酸素を交換→左心房→左心室→再び全身へ】というような経路をたどって身体の中を循環しています。

 

■ このうち、【左心房と左心室の間にある、血液の逆流を防止する弁】を【僧房弁】といいます。 【僧房弁閉鎖不全症】は、この逆流防止弁の機能が落ちることで、通常は一方通行の血液が逆に流れてしまう心臓病です。

 

■ このため血液の流れが交通渋滞を起こし、心臓が大きくなって咳が出たり、ひどくなると血管から漏れ出た血液が肺に溜まってしまう【肺水腫】という状態になり【呼吸困難】に陥り、最悪の場合、命に関ることもあります。

 

■ このような状態にならないようにするには、早期から食事やお薬により治療をしてあげることが大切です。

 

■ 今回のように初期の場合は外見からは判断がつかないこともありますので、高齢のワンちゃんがお家にいる方は是非定期的に病院で聴診をするようにしてみてください。

 

獣医師 齋藤隆太

 

 

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