【 こんな症例が治ります シリーズ 78 】 肛門嚢破裂 も的確な治療でコントロールします

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ネコ 17歳 メス(避妊手術実施済み) です。

 

【 ここ数日、お尻がただれていてウンチが出ていないというネコちゃん 】です。

 

 お尻の様子を見てみると、肛門の左脇の皮膚がはがれて赤くなっていました。 【肛門嚢が破裂】していたのです。

 

 肛門嚢とは、【肛門の両脇の皮膚の下にある臭い袋のこと】です。 スカンクはこの袋が発達していて、外敵から身を守る際に非常に臭い液をまき散らしますが、同様の袋がワンちゃん・ネコちゃんにもあります。

 

 通常は、排便と同時に袋の中の分泌物が少しずつ排泄されますが、排泄が上手くいかないと袋の中にどんどん分泌物が溜まり、限界を迎えると今回のように破裂してしまう事があります。

 

 肛門嚢が破裂すると、お尻の周りに強い痛みが生じるため、今回のように排便が困難になってしまう事もあります。

 

 今回は、破裂してしまった部位を清潔にし、抗生物質と消炎剤を処方したところ1週間ほどで傷口がキレイにふさがりました。 また、反対側の肛門嚢にも大量の分泌物が溜まっていて破裂する恐れがあったので、分泌物を絞り出してあげました。

 

 ワンちゃんの肛門腺しぼりを定期的に実施すべき事は有名ですが、【少し年老いたネコちゃんの肛門腺ケアー】はあまり知られていません。

 

 肛門嚢が破裂しないように1~2ヶ月に一回、定期的に分泌物を絞ってあげるようにしましょう。

 

 もし、やり方が分からないと言う際には、動物病院にお気軽に御依頼ください。

 

斎藤隆太 獣医師

 

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