【 こんな症例が治ります シリーズ 71  】  肝リピドーシス も 的確な治療で治します

 

 

 

 

 

 

 

ネコ 8歳 メス (避妊手術済み) です。

 

 【 5日程前から食欲がなく、今は全然食べない 】というネコちゃんです。

 

 

 検査の結果、異物や膵炎は否定的でしたが、血液検査では肝臓の数値と脂質の数値が徐々に上がってきていたため、他の検査結果と総合的に判断し【 肝リピドーシス(いわゆる脂肪肝) 】と診断しました。

 

 そこで、点滴をしながら食欲が無くても、食事を介助しながら食べさせるという治療を行っていく事にしました。

 

 この病気はネコちゃんで多く、食事を食べないことにより飢餓状態になると、【 体中の脂肪をエネルギーに変えようと肝臓に集める 】のですが、それを代謝しきれなくなり、肝臓に脂肪がたまってしまうというものです。

 

 肝リピドーシスとは、肝臓が機能しなくなってしまう病気です。

 

 一番の治療は食事を食べることなので、多少無理矢理になってでも食事介助してあげなければなりません。

 

 この子の場合悪戦苦闘しながらも飼い主さまが1ヵ月頑張って食事をあげて下さったため、徐々に元気も食欲もあがってきました。

 

 ネコちゃんによっては、食べ物の好き嫌いが激しい子も多く、最初の内は好みの問題で食べていないこともありますが、絶食して36時間で肝臓に脂肪が集まり、3日もするとこの【肝リピドーシス】になり、その後は本当に食欲がなくなってしまうということがよくあります。

 

 ですからネコちゃんの食事の場合には『 食べるまでその食事しか出さない 』と根くらべするのではなく、一日経っても食べないのなら、時に飼い主さんが折れてあげることも必要になるのです。

 

 ちょっと、難しい説明でしたね。 当院に来て頂ければ、細かく資料を見せながらお話しさせて頂きます。 御安心下さい。

  

獣医師 桃崎 昂

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