【こんな症例も治りますシリーズ 374】 猫の角膜穿孔から発見した眼球内外の腫瘍 も 適切な診断と治療で治します

猫ちゃんの左目に出来た悪性腫瘍です。 扁平上皮癌という腫瘍で、眼球内にもマブタにも出来ます。

 

 

参照サイト:

https://bit.ly/32T6aZ4

 

 

猫 16歳 オス(去勢済)

■ 数年前から角膜炎、歯肉炎、外耳炎があり、通院されていた猫ちゃんです。

 

 

■ 歯肉炎に対しては本来、麻酔下にて精査し治療が必要でしたが、飼主様が麻酔に難色を示していたため、また猫ちゃんの性格上、お口のお手入れ(ハミガキなど)も難しかったので何もすることが出来ずにいました。

 

 

■ 左目の角膜炎に対しては目薬を頑張って点眼してくださっていたおかげで、長年、小康状態を保ってこられました。

 

 

 

■ ところが【 3ヶ月前くらいから左顔面が腫れてきて、眼瞼(まぶた)も赤く腫れて 】来院されました。 以前にも抗生剤を服用し良化したことがあるので、もう一度同じお薬を希望されましたが今度は悪くなる一方でした。

 

 

■ 角膜に穴が開いてしまい、内容物が出て来ている状態になってしまい、眼球を摘出する事態になりました。

 

 

■ 眼瞼ごと摘出し、病理組織検査は、『 眼瞼は扁平上皮癌、眼球は扁平上皮癌の浸潤巣 』という結果でした。

 

 

■ 猫の扁平上皮癌は転移はしにくいと言われていますが、今後は肺などのチェックもしていきたいと思います。

 

 

■ また16歳という高齢猫ちゃんですが、麻酔下でずっと酷かった口腔も治療することができ、取れかかっていた歯を抜歯し、歯石除去もできる限り素早く行いました。

 

 

■ 現在ではよだれで胸の毛が変色するほど酷かったのが、嘘の様に綺麗になり、口臭もなくなりました。

 

 

■ 飼い主様は長年麻酔を拒んでいらっしゃいましたが、もっと早く麻酔をかけて口の治療をして貰えば良かったとおっしゃってくださいました。

 

 

 

※ 今回は眼球摘出と抜歯、歯石除去を一度に行いましたが、16歳の高齢でも麻酔覚醒は順調でしたし術後も問題なく回復されました。

 

 

 

 

■ 全身麻酔を心配される飼い主様も少なくないと思いますが、問題なく麻酔をかけることができ、痛みや苦痛を和らげてあげることができて本当に良かったと思います。

 

 

獣医師 新井澄枝

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