【 こんな症例も治します シリーズ 224 】 犬の免疫介在性溶血性貧血 も的確な診断と治療でコントロールします。

 

 

 

参照サイト:

貧血している犬の口腔粘膜が“白い”ですね。

https://goo.gl/5Dx7TQ

 

イヌ 3歳7ヵ月 メス(避妊手術済)

 

【 食欲低下、疲れやすい、粘膜が白い 】との主訴で来院されたワンちゃんです。

 

■ お話をお伺いしているうちに、昨年も同時期に同じような状況になり、その際は原因不明の貧血と診断された経緯があるとのことでした。

 

■ 血液検査の結果、重度の貧血に陥っていることがわかりました。

 

■ そして、貧血の中でも、【再生性貧血】という種類だという事がわかりました。

 

再生性貧血とは、骨髄で新しい赤血球がどんどん作られているけど、それ以上の速さで全身を循環している赤血球が壊されたり、どこかから大きな出血があり、結果重度の貧血に陥ってしまうものです。

 

■ このワンちゃんの場合、血液検査以外の精密検査も行い、【 IMHA(免疫介在性溶血性貧血) 】を疑いました。 IMHAとは、末梢の血液循環の中で、免疫の暴走により、自分で自分の赤血球を破壊してしまう血液の病気の一つです。

 

★ 本来免疫とは、身体を敵から守るために働くはずですよね。

それが、このIMHAとは、免疫に変なスイッチが入ることによって身体にとってとても大切な赤血球を敵だと考え、壊してしまうのです。

 

■ IMHAの治療を数日間集中的に行うため、入院治療を行いました。

免疫の暴走を止めるために、免疫抑制を中心とした治療を行いました。

入院中、定期的に血液検査を行っていったところ、少しずつ赤血球が血液中に見られるようになってきました。

 

■ その後は、免疫抑制の治療を、お薬で状況を見つつ、ゆっくりと薬を減量していく治療方法に切り替えました。

 

■ そして、治療開始から6ヵ月、、、ついにお薬を全てストップすることができました!!

今は定期的に血液の検査を行いながらIMHAの再燃(再発)が起こらないか経過観察をさせていただいています。

 

■ 初診時はとても苦しそうでしたが、今は診察にいらっしゃるとスタッフみんなに甘えて、尻尾をぶんぶん振って、力強く鳴いてくれて、とても嬉しいです!

 

■ 一言に、【貧血】といっても様々な原因が考えられ、治療方法はどれも全く異なったものになってしまいます。

誤った治療を行うと取り返しのつかない事もあり得ます。

 

■ 動物さんは体調の変化を隠してしまいます。

体調不良を訴える時には進行し、重症になってしまっている事も多々あります。

動物さんが普段と違う、と感じた時は早めに来院されることをオススメします(^^)/

 

獣医師 新美綾乃

 

 

Page Top