【 こんな症例も治ります シリーズ 223 】 犬の長引いていた全身性皮膚炎も的確な診断と治療でコントロールします。

 

 

 

 

参照サイト:

https://goo.gl/ze3V4U

 

 

 

14歳の避妊済みメスのシーズーです。

 

【 9ヵ月前から全身に皮膚炎があり、ずっと内服薬を飲んでいるが悪化してきた 】とのことで、当院の皮膚科専門外来に来院されたワンちゃんです。

 

■ リュウマチの既往歴があり、ステロイド剤と抗生物質をまぜたシロップを長期に渡り処方されていたようでした。

 

■ 大きな脱毛部位は背中に数か所あり分泌物が固まり、カサブタになっていました。 足先や脇の下、下腹部、陰部まわりも赤くただれていました。

 

ひどく舐めてしまう足先などは、ガーゼを巻いて保護している状況でした。

 

■ ステロイドの内服歴が長くなると、副腎からのホルモン分泌がおかしくなり、クッシング症候群という病気になることがあります。 副腎については超音波検査、ホルモン測定など、精査をしましたが問題はありませんでした。

 

■ 皮膚炎については、ステロイド剤の反応や痒みの出方などから食事性アレルギーの疑いが高く、また毛包虫の寄生も多数確認されました。

 

■ ステロイド剤の内服は少しずつ減らしながら外用薬で痒みをコントロールし、保湿クリームで保護していきました。

毛包虫に関しては、長期作用のあるブラベクトというノミダニ駆除剤を処方したところ一週間後には寄生数も減り、死亡している毛包虫が確認されました。

 

■ 食事に関しては、今まで主に摂取していたドッグフードやおやつに含まれている成分を確認し、アレルギー源となりそうな鶏、大豆、小麦を避けるようにして頂きました。

 

■ 食事の改善から1週間後には舐める回数が減り始め、その後カサブタの範囲もどんどん縮小し、カサブタが完全に消失すると発毛が見られ始めました。

初診から3か月後には皮膚炎があったとは思えないほど全身ふさふさの状態に戻りました。

 

★ 今では定期的にトリミングのご予約を頂き、フサフサの毛をカットさせて頂いております。

 

■ 飼主様もワンちゃんも長期に渡り痒みや分泌物のにおいなどに悩まされていましたが、適切な治療で改善されて本当によかったと思います。

 

獣医師 新井澄枝

 

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