ネコ 12歳 オス(去勢手術実施済み) です。
【 呼吸が荒いということで来院されたネコちゃん 】です。
レントゲンと超音波検査をしたところ、胸の中に液体が溜まっていることが分かりました。
胸腔内から液体を抜いたところ、薄黄色のドロッとした液体が抜けてきました。 この液体を調べてみると大量の白血球が認められ、いわゆる“膿”である事が分かりました。 このように、胸の中に膿が溜まってしまう状態を、専門的な用語で“膿胸”といいます。
原因としては、バイ菌感染によるものが一般的です。 しかし、ネコちゃんには、バイ菌感染が無いにもかかわらず膿が溜まる事もあります。 今回のネコちゃんの様の膿からもバイ菌は検出されませんでした。
さらに、肺炎や胸膜炎にかかわるようなウイルス感染も見つかりませんでした。
そこで、手術により胸腔の中に外から繋がるカテーテルを通し、毎日胸の中を特殊な液で洗浄する処置を行いました。
すると、1週間ほどで呼吸が落ち着き、無事に退院することが出来ました。
その後、再発も無く、メデタシメデタシ、です。
しっかりと、的確な治療方法を行うと、治りますね。 今回の方法にも【 治療のコツ 】があります。
経験の少ない先生だと、失敗する事もあります。 昔は多かった病気でしたが、最近は少なくなりましたので、当院の院長よりも長い臨床経験をお持ちの先生が得意とする【 術式 】だと聞きました。
獣医師 斎藤隆太