【こんな症例もありますシリーズ832】 『 セカンドオピニオン診療: 他院で外科ができない猫尿管結石 ― 緩和ケアでQOLが大きく改善した症例 』

↑ 上の写真は、腎結石から尿管結石が連なっている症例のレントゲン写真です。

◆ 左の大きな白い部分が、腎結石です。

◆ 腎臓の右に続く線状の白い部分は、尿路結石です。

 

 

参照サイト:

https://00m.in/dsGDy

 

猫 アメリカンカール 8歳 メス(避妊手術済)

 

 

【 他院で、腎臓と尿管にトラブルがあり治せない 】 との事で来院されました。

 

 

 

◆◆ 来院の詳細な経緯

 

 

■ 他院にて、

 

 

・ 左右の尿管に結石が詰まっている

・ その影響で 水腎症 を起こしている

・ 点滴以外にできる治療はなく、外科手術は難しい

 

 

との説明を受け、『 他にできることはないか 』、『 緩和ケアとして何かできないか 』というご相談で当院を受診されました。

 

 

 

 

◆◆ 来院時の状態

 

 

■ 来院時は、

 

・ 食欲はほぼなし

・ カリカリは全く食べず

・ ほんの少量のチュールを舐める程度

という状態でした。

 

 

 

■ 左右の尿管閉塞と水腎症があるため、状態としては決して軽いものではありませんでした。

 

 

 

 

◆◆ 当院で行った治療

 

 

当院では、

 

・ 点滴治療

・ 尿管の緊張を緩め、尿の流れを助ける目的の薬剤

・ ドイツ自然医学療法による注射治療

 

 

 

を組み合わせて治療を開始しました。

 

 

 

◆◆ ドイツ自然医学療法とは?

 

 

■ ドイツ自然医学療法とは、

 

 

・ 体にとって負担となる「毒素(ホモトキシン)」の排出を促し

・ 自己治癒力を引き出すことを目的とした治療法です。

 

 

 

★ 強く何かを「抑える」「壊す」治療ではなく、

 

 

・ 体のバランスを整え

・ 慢性的な不調や回復力の低下をサポートする目的 で使用されます。

 

 

 

 

■ 特に、

・ 外科ができない

・ 強い薬が使いづらい

・ QOLを重視したい症例

で選択肢の一つとなります。

 

 

 

 

◆◆ 治療経過

 

 

■ 左右の尿管が詰まり、水腎症を起こしているため、内科治療だけで劇的な改善は難しい状態 ではありました。

 

 

■ しかし、

 

 

・ 治療を 約2週間継続 した頃からチュールをしっかり食べるようになり尿量も増加

 

・ さらに 1ヶ月ほど継続 すると

 

 

■ これまでが嘘のように普通にカリカリを食べる状態 に回復、尿管閉塞前と同じような日常生活が送れるようになりました。

 

 

 

 

◆◆ 検査上の変化について

 

 

・ レントゲン検査

・ 超音波検査(エコー)

では、

・ 結石が消失したわけではなく

・ 尿管の閉塞や水腎症自体も 残ったままという結果でした。

それでも、生活の質(QOL)は劇的に改善 しました。

 

 

 

 

◆◆ この症例から伝えたいこと

 

 

■ 基本的に、尿管結石による閉塞は外科治療を行わないと根治は難しいというのが一般的な考え方です。

 

 

■ しかし、今回のように、

 

・ 外科を希望しないか、出来ない状況にある

・ 年齢や状態、飼い主様の考えがある

 

 

 

■ そういった場合でも、

『 何もできない 』わけではありません。

 

 

 

 

◆◆ まとめ

 

 

・ 結石が消えなくても

・ 閉塞が完全に解除されなくても

 

 

 

 

■ 治療の目標を『 完治 』から『 QOLの改善 』に切り替える ことで、
猫ちゃんが 普段通りの生活を取り戻せる可能性 があります。

 

 

 

獣医師 土屋優希哉

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