【FIP専門治療センター・セカンドオピニオン診療】 無料FIP治療薬プロジェクト / 皆さんにも役立つ 当院のFIP治療で著効したネコちゃん(その11)

↑ 上の写真は、このFIP症例の治療前後のレントゲン写真です。
■ 左が、初診時の治療前の腹部レントゲンです。 腹部が液体などで満たされています。
■ 右が、同じ猫ちゃんの治療後の腹部レントゲンです。

 

 

## 最初に、FIPで悩まれている飼主様で、相談や治療をお望みの方は、

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治療が高くてお困りの方、ご相談ください。

 

 

■■■ 11回連続で 『 当院が FIP(猫伝染性腹膜炎)専門治療センターだったので、正確に早めに診断出来て良く治った 』ネコちゃんを紹介しましょう。 今月の紹介症例です。

 

 

★ 実は、何度も書きますが、当院が優れていたのではなく、皆様にも知っておいていただきたい『 飼主様の機転の利かせ方 』ポイントを紹介します。 このポイントは、意外と盲点です。 正解は、最後までお読みください。

 

 

◆◆◆ 2019年からクローズアップされた 『ウェットタイプ』『ドライタイプ』FIP以外の 新しいタイプのFIP ⇒ 見逃しがちです

 

 

 

【症例紹介】

猫、 スコティッシュフォールド猫、 6ヶ月齢、 オス(去勢手術済み)

 

 

【 今回のポイント 】

 

1) お腹が膨れてきたことをきっかけに気づいて、正しい診断方法で『 FIP ミックスタイプ 』と確定診断をしたから助かった猫ちゃん。

 

2) なぜか? それは、FIP『ウェットタイプ』と『ドライタイプ』では治療薬の用量が異なるので、間違った薬の使い方をすると治りません。

 

 

 

★★★ さて、『 6ヶ月のスコティッシュフォールドの男の子 』に話を戻しましょう。

 

 

■ 飼い主様は『 最近お腹がふっくらと膨らんできて、元気がない日が増えてきた 』と感じ、かかりつけ医を受診した後に、当院を受診されました。

 

 

■ 他院様ではすでに腹水を指摘されており、より詳しい検査を行うために『 FIP専門治療センター 』である当院に来院されたという経緯でした。

 

 

 

 

【 初診時の状態と検査結果 】

 

 

■ 当院での画像検査では、腹腔内に明らかな腹水が確認できました。

また、空腸付近のリンパ節が大きく腫れており、炎症が進んでいる可能性が高い状態でした。

 

 

■ 血液検査では、A/G(後述します)比が低下し、複数の炎症マーカーが高値を示していました。

 

 

■ これらの所見は、体の中で強い炎症反応が続いているときに見られる典型的な変化です。

さらに軽度の貧血もみられ、全身状態への影響が出始めている段階でした。

 

 

■ 腹水を採取して性状を確認したところ、『 滲出液 』と呼ばれるタイプの腹水でした。

 

 

■ これは、炎症によって血管の透過性が高まり、血液中の成分がしみ出してきてしまうことで起こる腹水です。

 

 

 

 

【 FIP(猫伝染性腹膜炎)を疑った理由 】

 

 

■ FIPは猫腸管コロナウイルスが体内で変異し、免疫反応が過剰に進んでしまうことで発症する病気です。

 

 

■ 腹水貯留、リンパ節腫大、A/G(タンパク質のアルブミンとグロブリンの比率)低下といった所見はFIPでよく見られます。

 

 

■ さらに今回注目すべき点は、腹水とリンパ節腫大が同時に見られたことです。

 

 

■ FIPには大きく3つのタイプがあります。

 

 

•  水分貯留(腹水・胸水)が主体の『 ウエットタイプ 』

•  臓器の腫れや結節形成が主体の『 ドライタイプ 』

•  その両方の特徴を併せ持つ『 ミックスタイプ 』

 

 

 

◆◆ 今回の症例は、『 腹水(滲出液タイプ) 』と『 リンパ節の巨大な腫大 』が同時に認められたため、ミックスタイプのFIPと判断しました。

 

 

 

【 なぜFIPタイプの判定が重要なのか 】

 

 

■ 先にも述べましたが、FIP治療薬は、タイプに応じて必要な用量が異なります。

 

■ 例えば、ウエットFIPのように炎症が体腔内に現れるタイプと、ドライFIPのように臓器にしこりを作るタイプとでは、薬が届く組織が異なるため、治療設計も変わります。

 

■ そのため、しっかりと画像検査を中心とした必要な検査を行い、体内で何が起きているのかを把握して、『 確定診断 』をすることが、治療効果を高めるうえで非常に重要となります。

 

 

 

【 治療とその後の経過 】

 

 

■ FIP治療薬を、ミックスタイプFIPに適した量で治療を開始しました。

 

■ 治療開始から2週間ほどで、腹水はほとんど消失し、空腸リンパ節の腫大も縮小していきました。

 

■ 元気や食欲も戻り、表情も明るくなっていく変化が見られました。

 

■ かつてFIPは『 治らない病気 』とされていましたが、現在は適切な診断と治療により、改善が十分に期待できる病気になっています。

 

■ そのためには、治療開始のタイミングや経過観察、投薬状況のコントロールがとても大切です。

 

 

 

【 飼い主さまへ 】

 

 

『 なんとなくお腹が張ってきた 』

『 遊ぶ時間が減っている気がする 』

 

 

ほんの小さな変化が、早期発見につながることがあります。

気になることがあれば、どうか一度ご相談ください。

 

 

 

獣医師 増田正樹

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