【こんな症例も治りますシリーズ 650】『 セカンドオピニオン診療 : 他院から転院してきた 他院では下顎骨肉腫と診断された 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、猫の右顎のシコリ(CT立体画像)です。

■ 画面の中心の部分が大きく腫れています。 これが異常なシコリ部分です。

■ 検査によって、悪性腫瘍ではなく、骨腫という良性変化という診断です。

■ 顎が腫れている = 悪性腫瘍ではありません。

■ しっかりと、検査と診断を行いましょう。

 

 

 

参照サイト:

https://00m.in/nKMvg

 

猫 ミックス猫 16歳 オス(去勢手術済み)

 

 

【 1ヶ月前に下顎が腫れているのに気づき、かかりつけ医では針生検で骨肉腫と言われた 】ということで来院されました。

 

 

 

◆◆ 今後どうしたら良いか、とご相談にいらっしゃいました。

 

 

■ 早速レントゲンで確認すると、左側の下顎の骨が分厚く、骨増生が進んでいるのがわかりました。

 

 

 

■ 体に転移しているのかどうか、また本当に骨肉腫なのかを調べるために、麻酔をかけて『 CT検査と顎の骨の病理組織検査 』をしました。

 

 

 

 

■ 病理検査結果は『 慢性経過した炎症病変、つまり歯槽骨炎を疑う 』という結果で、今回採取した骨組織からは悪性腫瘍は否定されました。

 

 

 

◆ 確かに骨増生が見られる部分の歯は、歯石が重度に付着して歯周病になっていました。

 

 

 

■ CT所見では腫瘍の疑いもありましたが、顕著な転移所見は見られなかったので歯周病治療を開始することにしました。

 

 

 

■ 歯は歯石を除去すると簡単に抜くことが出来、歯科専用の器具(探子)を歯を抜いた部分に入れると、かなり深く穴が空いており、歯根部の穴が顎の骨に繋がっているようでした。 抜いた歯は病理検査の結果を待っているところです。

 

 

 

◆ 歯槽骨炎であれば、今後内科治療で快方に向かうと思いますが、口腔内の衛生管理をしっかりしていれば、このような事にならなかったのも事実です。

 

 

 

■ 幸いなことに、16歳の猫ちゃんですが元気はあるので、2回目の病理組織検査の結果が腫瘍でないことを祈りながらケアしていきたいと思います。

 

 

 

獣医師 新井澄枝

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