【こんな症例も治りますシリーズ 649】 『 セカンドオピニオン診療: 他院から転院してきた 他院では難治性外耳炎 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、犬の左耳です。

■ 左外耳炎の慢性像です。

■ 色素沈着して象の皮膚のように見えるので、外耳炎慢性像です。

■ よく見ると、黄色系の乾いた化膿物質が付いています。

 

 

犬 フレンチブルドッグ 5歳 メス(避妊手術済み)

 

 

【 耳が痒く、他院で抗生剤の点耳薬をおこなっているが治らない 】ということで来院されました。

 

 

 

◆◆ 耳を診てみると、外耳道が肥厚し、色素変性もあります。 慢性的に炎症が起こっている所見です。

 

■ 他の皮膚を診てみると、口周りも赤く、指の間も発赤しています。

 

 

 

◆ アレルギー性皮膚炎が根底にありそうです。

 

 

 

■ アレルギー性皮膚炎は、原因として環境アトピー、食物アレルギーに大別されます。

 

 

■ 当院では、『 特殊血液検査で、原因がある程度判別する事 』ができます。

 

 

 

◆ この子は、その特殊血液検査までは希望されなかったので、アレルギー用の食事を与え、ノミダニの駆除を行うところから始めました。

 

 

◆ 外耳炎については、最近では抗生剤の点耳治療からではなく、炎症による滲出液なとが出ていなければ、ステロイドの点耳治療からスタートするのが良いと言われています。

 

 

 

■■ 今回は、ステロイド点耳、あわせて自宅での耳洗浄を依頼しました。

 

 

 

■ 2週間後、外耳道の肥厚は落ち着き、色素変性も落ち着いてきています!

 

 

 

■ また『 皮膚は食事管理、シャンプー指導のみで管理出来そうなくらい痒みも落ち着いている 』、との事でした。

 

 

 

■ 今後も季節的な悪化に注意し、診察を行っていきたいと思います。

 

 

 

※ 他院で難治性になってしまう外耳炎では、『 ニューキノロン系抗菌薬の点耳薬 』を処方されているケースを散見します。 この抗菌剤は、多剤耐性菌を作りやすいので、ご注意ください。

 

 

 

獣医師 増田正樹

 

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