【こんな症例も治りますシリーズ 536】 ワンちゃんの『 急性嘔吐 』も 適切な診断と治療で治します

上の写真は、ワンちゃんが飲み込んだ『 ビニール片 』です。
■ ビニール片は、胃酸によって硬くなります。
■ ですから、ビニール片が小腸を通過する際に、腸の内側を傷付けるのです。

 

 

犬 ミニチュアピンシャー 8歳 オス(去勢手術済み)

 

 

【 今朝から吐いてしまっている 】ということで来院されました。

 

 

 

◆◆ 昨日までは特に体調に変わりなく、元気であり、急な変化です。

 

 

■ 来院時の血液検査では特に異常ありません。

 

 

■ レントゲン検査では小腸に全体的にガスの貯留はありますが、原因の特定にはいたりませんでした。

 

 

■ しかし、腹部超音波検査を行なってみると、回腸の一部で高エコー性の陰影があり、その前後で液体が貯留しています。

 

 

 

■ 小腸閉塞を疑う所見です。

 

 

 

■ レントゲンでは明らかな完全閉塞像とは言えなかったため、まずは入院し、点滴による脱水の改善を行いました。

 

 

 

 

■■■ 超音波検査で経時的に検査を行なったところ、若干の腹水が出ており、異物と思われる陰影の閉塞部位が動いているのがわかりました。

 

 

 

 

■■■ おそらく、異物による不完全閉塞が起こっています。

 

 

 

■ そこで、特殊検査を行った後に開腹手術を実施したところ、小腸の回腸と盲腸の境目の所に、異物がありました。

 

 

 

■ その手前の小腸では、異物が傷付けたであろう腸炎が起こっていました。

 

 

 

■ 回腸を適切に切り、異物を取り除いて見てみると、大きなビニール片が入っていました。

 

 

 

■ しばらく入院としたところ、三日目からはしっかり流動食を食べてくれるようになりました!

 

 

 

■ レントゲン検査だけでは見逃してしまいそうな閉塞像を、超音波検査と特殊検査まで行い、診断に結びつけられた症例でした。

 

 

 

★★★ ワンちゃんやネコちゃんは、『 ひも状の異物 』、『 ビニール袋 』、『 ビニール片 』、『 匂い付き消しゴム 』などを口にするのが大好きです。 ぜひ、ご注意ください。

 

 

 

獣医師 増田正樹

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