【こんな症例も治りますシリーズ 535】 猫ちゃんの『 再発性尿石症 』も 適切な診断と治療で治します

上の写真は、尿中の結石になる素の結晶です。
ストルバイト結晶といいます。
■ 実は、処方食メーカーが2014年に発行した下部尿路疾患特集号の表紙ですが、この10年ほど前から処方食の中身も改良が重ねられてきました。
◆ 私達専門家は、処方食(病院食)がドンドン良くなってきている事を、とても感じています。
■ しかし、一般のペットフードは、あまり大きな進歩を感じません。
■ 今回の猫ちゃんも、一般のペットフードを食べて『 再発 』しました。 獣医師に正しく処方された療法食のみ食べましょう。 ぜひ、ご注意ください。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3DRHm86

 

猫 ミックス猫 5歳 オス(去勢手術未実施)

 

【 昨日からおしっこが出ておらず、朝からおしっこをしぶる 】とのことで来院されたネコちゃんです。

 

 

◆◆ このネコちゃんは、アルカリ性の尿で出来る『 ストラバイトという結晶 』で尿道が詰まって、尿閉塞になってしまい、以前、ブログで紹介させていただきました。

 

 

 

■ この時は、オシッコをアルカリ性から中性にする特別な食事(処方食)によって溶かすことができ、回復しました。

 

 

■ その後もオシッコを中性に保つ食事で再発もありませんでした。

 

 

■■ しかし、お話を聞くと、3日前に『 同居のネコちゃんの食事の袋を破って食べてしまった 』そうです。

 

 

 

■ 今回、おちんちんから医療用のチューブを入れて、詰まっていたものを除去した後で、尿検査をすると、やはりストラバイト結晶が見られました。

 

 

■ 幸い、血液検査で尿閉塞から起こる急性腎臓病も見られなかったので、点滴治療などをしてからお帰りになりました。

 

 

 

■ その後の食事管理に注意してもらうことで、再発もありませんでした。

 

 

 

 

■ 尿石症を予防するには、おやつを控えたり、食事に気を付けてください。

 

 

 

■ また、新鮮なお水をしっかり与えて結晶ができる前に尿によって出すことも大切です。

 

 

 

 

 

■ また尿石症がなかなか治らない動物さんや、繰り返す場合、前述の特別処方食や特殊なサプリメントがあります。

 

■ 尿石症の早期発見には『 日々のトイレの様子をよく観察すること 』や、定期的な尿検査が有用です。

 

 

 

 

■ 『 オシッコに何か変化が観られてお困りの際 』は当院までご相談ください。

 

 

 

★★★ 今日のまとめ: 病院から処方されるフード(特別療法食)と、一般のペットフードとは雲泥の差ですので、『 特別療法食のみで管理している病気の子 』は、厳密に食事の管理をしましょう。

 

 

 

 

獣医師 天野雄策

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