【こんな症例も治りますシリーズ 451】 ワンちゃんの鼻出血 痙攣発作 も適切な診断と治療で治します

★ 犬の頭部のCT画像です。
★ 右側の大きな画像で、黒い縦長の長方形の部分があると思いますが、その右側の白い長方形部分が、『鼻腺がん』です。
★ CT画像は、レントゲン検査では分からない部分まで明確に描出しますので、腫瘍などの診断では必須です。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3CXmB7f

 

 

犬 8歳 オス (去勢手術済み) です。

 

 

【 3ヶ月前から、週に2、3回ほど鼻出血があり、本日痙攣発作が起こった 】とのことで来院されたワンちゃんです。

 

 

 

◆◆ 鼻出血については、他院で抗生剤療法を行なっていたがあまり良くならないとの事でした。

 

 

■ 来院時はしっかりした意識レベルで、脳神経学検査上も異常ありません。

 

 

■ 犬の鼻出血は、人間と違い、重病である場合が多く、原因としては腫瘍、異物、感染、凝固異常、心疾患、外傷等が考えられます。

 

 

 

■ レントゲンで頭部を撮影し、鼻道の陰影を確認するのは必要な事ですが、この場合はCT検査が適応になります。

 

 

■ この子は、もちろん血液凝固検査や心臓超音波検査等を行い、異常がない事を確認した上で、頭部CT検査を行いました。

 

 

 

■ CT検査を行うと、左の鼻道に塊状病変があり、前脳に浸潤していました・・・

 

 

 

■ CT画像で、塊状病変の位置を確認し、細い管を使って『 しこり 』を刺して、病理生検を行います。 この時に血が止まらない時がありますので、事前に血液凝固検査を行いました。

 

 

 

 

◆◆ 検査結果は、鼻腔腺癌でした。

 

 

 

 

 

■ 診断としては、『 鼻腔腺癌の脳浸潤 』。 予後(病気の行方)は厳しい所見です。

 

 

 

 

■ しかし診断がしっかりついた事で、飼い主様も心の準備をすることが出来たようでした。

 

 

■ 痛みの管理や、抗痙攣剤などの支持療法を行い、1ヶ月間も頑張ってくれました。

 

 

 

 

◆◆ 『 最期は痙攣も起こさず、安らかに過ごす時間がとれた 』とのお言葉を頂きました。

 

 

 

 

 

■ 状態の確認、診断、そして『最期への御家族の心の準備を整える為』にCTが大変役立ってくれたケースでした。

 

 

 

獣医師 増田正樹

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