【FIP専門治療センター・セカンドオピニオン診療】 無料FIP治療薬プロジェクト / 皆さんにも役立つ 情報

↑ 上の写真は、FIPを発症した猫のリンパ節の細胞です。

■ 細胞質内に小さなピロニン親和性要素を有する細胞が見えます。(メチルグリーン-ピロニン染色)

■ この染色方法は、細胞内のDNAとRNAを青緑色と赤色に染め分ける染色法で、赤く染まっている部分がピロニン親和性のRNAです。

 

参照サイト:

https://00m.in/WBNEG

 

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■■■ 【セカンドオピニオン診療】慢性下痢を主訴に来院した高齢猫 | FIPが疑われた一例

 

 

14歳、ミックス猫の去勢済みの男の子。

 

 

■ 約1か月前から下痢が続いているとのことで来院されました。

 

 

■ 便は大腸性下痢の所見で、食欲は維持されていましたが、慢性的な下痢により体重も徐々に減少していました。

 

 

◆◆ 初診時の検査

 

■ 全身検査を実施したところ、腹部超音波検査では軽度の空腸リンパ節腫大が認められました。

 

 

■ この時点では、

 

慢性腸症

低グレード消化器型リンパ腫

 

などを主な鑑別疾患として考えました。

 

 

■ 全身状態は比較的安定していたことから、まずはアレルギー食への変更と試験的駆虫を行い、経過をみる方針としました。

 

 

 

◆◆ 再診時の変化

 

 

■ 約2週間後に再診となりましたが、下痢は改善していませんでした。

 

■ さらに血液検査では、初診時38%だったPCV(血液に占める赤血球の割合)が22%まで低下し、短期間で貧血が進行していました。

 

■ 炎症マーカーも高値となっており、初診時より全身の炎症が強くなっていることが示唆されました。

 

■ 腹部超音波検査では、空腸リンパ節はさらに腫大しており、初診時に考えていた慢性腸症だけでは説明が難しい経過と考えられました。

 

 

 

◆◆ 追加検査

 

■ 腫大した空腸リンパ節に対して細針吸引検査(FNA)を実施しました。

 

■ 細胞診ではリンパ節の反応性過形成が認められ、リンパ腫を積極的に示唆する所見は認められませんでした。

 

■ さらに、リンパ節検体を用いてFIP関連PCR検査を実施したところ、陽性という結果が得られました。

 

■ あわせて測定したFCoV抗体価(猫コロナウイルスに対する抗体の量)も高値でした。

 

■ これまでの臨床経過、血液検査、画像検査および追加検査の結果を総合的に評価し、FIPが強く疑われる状態と判断しました。

 

 

 

◆◆ 治療と経過

 

 

■ FIP治療を開始したところ、下痢は徐々に改善し、良好な便性状となりました。

 

■ 食欲も維持されるようになり、減少していた体重も増加傾向が認められています。

 

■ 現在も継続して治療を行いながら、経過を観察しています。

 

 

 

◆◆ 今回の症例について

 

🌟🌟🌟 FIPは典型的な症状だけでなく、このように慢性下痢を主症状として経過する場合もあります。

 

 

■ 若齢猫だけではなく、高齢猫においても臨床経過や検査結果に違和感がある場合には、鑑別疾患の一つとして考慮することが重要であると改めて感じた症例でした。

 

 

 

獣医師 増田正樹

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