【こんな症例も治りますシリーズ 851】『 後ろ足のびっこ、その原因は脊椎疾患ではなく肛門腺だった? 』も適切な診断と治療でコントロールします

↑ 上の写真は、犬の左の肛門腺化膿・破裂部です。

■ 右上側の矢印は、肛門です。

■ 左下側の矢印は、『左肛門腺化膿・破裂部』を示します。

■ 肛門腺は、時計の位置で表すと『肛門を中心に考えて、8時と4時の位置にあります』。 今回の左肛門腺は、8時の位置ですね。

 

 

参照サイト:

https://00m.in/BKejE

 

 

犬  ミックス犬 7歳 メス(避妊手術済)

 

 

【 後ろ足をかばうように歩く 】という症状で来院しました。

 

 

 

■■ 後肢の跛行(びっこ)がある場合、関節や靭帯の異常だけでなく、脊椎や神経の病気が隠れていることもあります。

 

 

■ 今回の子も診察時に腰のあたりを触ると痛みを示し、背中にも違和感が認められました。そのため、まずは椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患も含めて慎重に評価を進めました。

 

 

 

 

 

◆◆ 痛みの原因を探していくと…

 

 

■ 診察を進める中で、お尻周りの確認も行ったところ、肛門腺の部分に強い炎症が見つかりました。

 

■ さらに詳しく確認すると、肛門腺が破裂して膿が排出された状態であることが判明しました。

 

■ 肛門腺破裂では、お尻そのものの痛みだけでなく、座り方が不自然になったり、歩き方がぎこちなくなったりすることがあります。

 

■ 症状によっては後ろ足の異常や腰痛のように見えることもあり、一見すると整形外科疾患や神経疾患を疑うケースもあります。

 

 

 

 

◆◆ 肛門腺破裂とは?

 

 

■ 犬の肛門の左右には『 肛門腺(肛門嚢)』という分泌腺があります。

 

■ 通常は排便時に自然に排出されますが、分泌物が溜まりすぎたり細菌感染を起こしたりすると、肛門腺炎、肛門腺膿瘍、肛門腺破裂へと進行することがあります。

 

■ 破裂すると皮膚に穴が開き、膿や血液が出てくることがあります。

 

 

 

 

◆◆ 治療後は良好に回復

 

 

■ 今回の症例では、肛門腺破裂に対する治療を開始し、抗生剤を内服していただきました。

 

■ その後は順調に炎症が改善し、後ろ足の歩き方も正常に戻りました。 現在は元気に過ごしています。

 

 

 

 

◆◆ まとめ

 

 

■ 後ろ足のびっこや腰の痛みがみられると、関節や脊椎の病気を心配される方も多いと思います。

 

■ もちろんそれらの病気も重要な鑑別診断ですが、今回のように肛門腺のトラブルが原因になっていることもあります。

 

■ 歩き方がおかしい、座り方が変わった、お尻を気にしているなどの症状がみられた際は、早めの受診をおすすめします。

 

 

 

 

◆◆ 本来は、肛門腺は現在のワンちゃんネコちゃんには不必要なモノ・・・

 

 

■ 毎月、肛門腺を絞っておられますか?

 

■ 肛門腺破裂を起こしやすい子は、自分で肛門腺の分泌した内容物を外に出せません。 だから、分泌物が溜まりすぎて破裂するのです。

 

■ 本来は、肛門腺はナワバリをマーキングするために分泌物を木や岩や土に擦り付けるために存在しているのです。 ⇒ 現代の生活でそれが必要でしょうか?

 

★ マーキングを皆さんの枕にしたり、ソファーの手摺りにしたり、、、 そうです、肛門腺は必要ないモノです。

 

 

 

 

★★ よって、肛門腺はスカンクの臭腺と同じように、外科切除した方が良いモノです。 特に、破裂した肛門腺は、傷が治ったらすぐに上手な獣医師に外科摘出を依頼しましょう。

 

 

 

◆◆ 『 肛門腺破裂 ⇒ 治ったら ⇒ \外科摘出/ 』が世界では常識です。

 

 

 

 

獣医師 伊藤雅志

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