【こんな症例も治りますシリーズ 818】『 突然「目が見えなくなった」高齢猫 ― 重度高血圧による網膜剥離の症例 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上段は、眼底検査の写真です。 下段は、眼球断面のエコー検査図です。

■ 眼底検査では、左の治療前は出血と剥離がありますが、右の治療後は正常な眼底血管が確認できました。

■ 眼球断面のエコー検査図では、左の治療前は『Yの字に見える部分が、剝離した網膜』です。 右の正常眼球断面のエコー検査図は、網膜が剝離していないので『Yの字が見えません』。

 

 

参照サイト:

https://00m.in/XrUkQ

https://00m.in/AmcHN

 

ネコ ミックス猫 14歳 オス(去勢手術済み)

 

 

【 ここ1週間ほど、物にぶつかるようになり、目が見えていない様子がある 】とのことで来院されました。

 

 

 

◆◆ この子は以前から腎臓病で治療を受けており、体調の変化を心配されての受診でした。

 

 

■ まず血圧測定を行ったところ、収縮期血圧260mmHgと、明らかな重度高血圧を認めました。

 

 

■ 猫の高血圧は、腎臓病に続発して起こることが多く、本症例でも腎性高血圧が強く疑われました。

 

 

■ 鑑別診断のために、甲状腺ホルモンの測定も行いましたが、こちらは正常値でした。

 

 

 

 

 

◆◆ 続いて、眼科精密検査を実施しました。

 

 

■ 眼底検査では、眼底出血と網膜剥離を認め、視覚障害の原因が血圧上昇による網膜障害であることがわかりました。

 

 

■ 一方で、眩目反射は残っており、完全に失明している状態ではないと判断しました。

 

 

 

 

 

◆◆ すぐに血圧の降圧剤による治療を開始しました。

 

 

■ 1週間後の再診では、まだ高血圧が続いていたため、投薬する薬の内容を調整しました。

 

 

■ 2週間後の再検査では、血圧は正常範囲まで低下し、眼底検査でも網膜剥離の改善所見を確認することができました。

 

 

 

 

 

◆◆ 現在は視覚反応も少しずつ改善してきており、慎重にモニタリングを続けています。

 

 

◆ 猫の高血圧は、気づかれにくい病気ですが、進行すると本症例のように突然の失明を引き起こすことがあります。

 

 

◆ 特に腎臓病を患っている猫では、定期的な血圧測定と眼底検査がとても重要です。

 

 

 

 

◆◆ 早期に発見し、適切な治療を行うことで、視力の回復や進行の抑制が期待できる場合もあります。

 

 

 

■ 高齢猫で行動の変化や視覚異常が見られた場合は、早めの受診をおすすめします。

 

 

 

 

獣医師 増田正樹

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