【FIP専門治療センター・セカンドオピニオン診療】 無料FIP治療薬プロジェクト / 皆さんにも役立つ 当院のFIP治療で著効したネコちゃん(その12)

↑ 上の写真は、苦しい呼吸をしている猫ちゃんに負担をかけずに胸部レントゲンを撮りました。

■ このような時には、猫ちゃんの前肢を術者が持たないで、自然体でうつぶせ寝の姿勢で背腹方向のレントゲン撮影を行います。

■ 当院では、ネコちゃんの口の近くに酸素マスクを置いて、酸素吸入をしながらレントゲン撮影をします。

 

参照サイト:

https://00m.in/DEJaU

 

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治療が高くてお困りの方、ご相談ください。

 

■■■ 12回連続で 『 当院が FIP(猫伝染性腹膜炎)専門治療センターだったので、正確に早めに診断出来て良く治った 』ネコちゃんを紹介しましょう。 今月後半の紹介症例です。

 

 

★ 実は、何度も書きますが、当院が優れていたのではなく、皆様にも知っておいていただきたい『 飼主様の機転の利かせ方 』ポイントを紹介します。 このポイントは、意外と盲点です。 正解は、最後までお読みください。

 

 

 

◆◆◆ 高齢猫にみられた 呼吸促迫の症例

 

 

■ FIPウェットタイプの診断だけでは、解決出来ない別の病気を併発していたケース
⇒ 一般動物病院だと見逃しがちになりやすいタイプ ???

 

 

 

【症例紹介】

 

 

猫、スコティッシュフォールド猫、12歳、オス(去勢手術済み)

 

 

 

【 今回のポイント 】

 

 

■ 飼い主様より『 呼吸が苦しそう 』『 息が早い 』という主訴で来院しました。 元々高齢であるため、心疾患が疑われていましたが、診察を進める中でもう一つの重大な病気が隠れていたことが分かりました。

 

 

◆◆◆ 診察と検査所見

 

■ 身体検査および画像検査(レントゲン・超音波エコー検査)では以下の所見が認められました。

 

•  心臓の肥大(心拡大)

•  胸水の貯留

•  呼吸数増加(呼吸促迫)

 

 

■ 一見すると心臓疾患による胸水貯留が最も疑われるパターンです。

 

 

■ しかし、胸水を穿刺採取し検査したところ、性状は『 滲出液 』であり、一般的な心疾患が原因でみられる『 漏出液 』とは異なる結果でした。

 

 

■ さらに血液検査では以下の異常が認められました。

 

 

•  A/G比(血中蛋白の分画比率)低下 ⇒ 炎症の時に低下しやすい検査項目です

•  各種の炎症マーカー高値

•  軽度発熱

 

 

 

◆◆ これらの結果から、心疾患だけでは説明できない炎症性病態が疑われ、猫伝染性腹膜炎(FIP)ウェットタイプが鑑別診断リストに挙がりました。

 

 

 

◆◆◆ 治療方針と経過

 

 

■ 症状は進行しており、呼吸状態を安定させる必要がありました。そのため、

 

• 心疾患治療

 

• FIP治療薬投与

 

を同時に開始し、酸素吸入管理と胸腔内の胸水抜去を行いました。

 

 

 

 

■ 治療開始後、徐々に呼吸状態が落ち着き、食欲・活動性も改善。

 

 

 

■ 胸水の量も減少傾向を示しました。

 

 

 

 

 

◆◆ その後、外注検査として提出していた『 胸水のFIP PCR検査の結果が陽性 』となり、最終診断はFIP ウェットタイプ(胸水型)、『 さらにFIPに伴う心筋炎による症状悪化 』であったことが確認されました。

 

 

 

 

 

◆◆◆ 考察| FIPによる心筋炎について

 

 

 

■ FIPは従来、腹水や胸水を主体とする免疫性炎症性疾患として知られていましたが、近年の報告では心筋炎や心膜炎を引き起こすケースが存在することが分かってきています。

 

 

■ 特にスコティッシュフォールドなど遺伝的に心疾患リスクを持つ猫では、FIPが重なり症状が複雑化し、単純な心不全と誤認される可能性があります。

 

 

■ 本症例のように、

 

 

•  胸水が滲出液

•  A/G比低下

•  炎症反応高値

 

が揃う場合は、即座にFIPの可能性を検討し、治療開始の遅れを防ぐことが重要です。

 

 

 

 

◆◆◆ まとめ

 

■ この症例では、高齢猫の呼吸促迫 = 心疾患と考えられがちな状況の中、詳細で丁寧な検査がFIPという別の大きな病態を突き止めました。

 

 

◆◆ 現在、猫のFIPは以前と異なり治療により改善・寛解が期待できる疾患となっています。 呼吸が荒い、元気がない、腹水・胸水がある場合は、早期検査と治療判断が非常に重要です。

 

 

 

 

獣医師 増田正樹

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