【新 当院の特徴ある医療シリーズ 48】 猫の慢性鼻蓄膿症の 新・治療法 を紹介致します

猫ちゃんの慢性鼻蓄膿症は、2パターンあります。
一つは、鼻汁が出っぱなしタイプ。
二つ目は、ほとんど鼻汁が出ないタイプです。 

参照サイト:

https://bit.ly/3wmNTRf

 

■■■ 猫の“ 別名: 副鼻腔炎 ”治療 ■■■

 

 

◆◆ ミックス猫(日本猫系) 9歳 メス(避妊手術済み)。

 

 

 

■ 副鼻腔炎については、これまでにも【こんな症例も治りますシリーズ】で2回ほど(No.421、No.588)ブログで紹介してきましたが、当院には難治性の子が多く来られます。

 

 

■■ 副鼻腔炎とは、鼻腔内の粘膜の炎症によりクシャミ・鼻汁の症状を起こし、炎症が副鼻腔や前頭洞まで波及した場合を言います。

 

 

 

■ 原因としては、細菌(バイキン)・真菌(カビ・酵母菌)・ウイルスなどの感染症が多く、その他アレルギー、異物や腫瘍などが考えられます。

 

 

 

■ 最初の症状は、鼻水や鼻づまり、くしゃみ、眼脂、さらに酷くなると呼吸困難、食欲不振、眼周囲の腫れなども伴うこともあります。

 

 

 

 

 

◆◆ 診断は、病歴、症状、鼻汁の培養検査、レントゲン、または麻酔下でのCT、MRI、鼻腔鏡などが必要な場合もあります。

 

 

 

■ 治療としては、感染症であれば、抗生剤、抗真菌剤などの内科治療を行います。 しかし重度の蓄膿症を起こしている場合や腫瘍の場合には、外科的処置を行う必要も選択肢に入ります。

 

 

 

■ さて、このネコちゃん、お話を伺ってみると、3年前からクシャミ・鼻汁が出て、近隣の動物病院で抗生剤の治療を受けるも、治ったり、症状が出たりを繰り返してきたそうです。

 

 

 

◆ 最近、またクシャミ・鼻汁がひどくなったため、いつもの動物病院に行き、別の抗生剤投与の他、ネブライザー療法も始めたけれど完治せず、鼻づまりで食欲もなくなってきたことから、当院のブログを見て来院されたとのことでした。

 

 

 

◆ また、飼い主様がおっしゃるには、東京に住んでいるので頻繁には通院できないことから、自宅で治療できるよう、出来たらブログで紹介されていた「お薬」を処方してほしいとのことでした。

 

 

■ 当院での身体検査、血液検査及びレントゲン検査、また、前の病院で実施された鼻汁の菌培養の結果から総合的に判断して、「感染による慢性副鼻腔炎」と考え、飼い主様の希望もあり、当院で以前から実施している「ドイツ式自然療法」を行うこととしました。

 

 

 

■ 具体的には、慢性副鼻腔炎に対する新規治療法の一つとして、副作用がなく、慢性炎症に効果のあるドイツ式自然療法の抗炎症剤を点鼻薬として処方します。

 

 

また、今回の猫ちゃんの場合、ご自宅用のネブライザーを購入されたとのことでしたので、ネブライザー用の吸入薬剤に加えるドイツ式自然医学療法の抗炎症剤も処方することとしました。

 

 

 

 

■■ 自宅での治療を実施から2週間後、飼い主様がお薬を取りにいらして「あれからクシャミも鼻づまりもすっかり良くなって、食欲も元通りになりました。」とうれしそうにお話下さいました。

 

 

 

■ 抗生剤と抗炎症剤が奉功してネコちゃんも一安心ですが、ただ、慢性化した副鼻腔炎は、油断すると再発を繰り返すことがありますので、今後も、飼い主様と一緒になって、治療を継続していけたらと思います。

 

 

 

 

獣医師 泉 政明

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