【こんな症例も治りますシリーズ　６７７】　『　別の手術前レントゲン検査で見つかった、症状が無い胃内異物　』も　適切な診断と治療で治します

↑　上の写真は、猫の胃内から取り出した異物です。
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■　右上の黒いものが、『ひも状異物』です。
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■　他のビニール片も『ひも状』の形をしています。

 

 

猫　ミックス犬　２歳　メス（未避妊手術）

 

 

 

【　避妊手術前検査にて、レントゲンをとったところ、胃内に異物様陰影を認めた　】、という事で精査のための診察になりました。

 

 

 

 

◆◆　飼い主様は、あまり心あたりが無いそうでした。

 

 

■　しかし、レントゲンでは胃内の異物は『　紐（ひも）　』に見えます。

 

 

 

■　紐状異物は、胃の中で絡まってしまうと、腸に流れた紐が、腸の蠕動運動によって引き攣れを起こしてしまいます。　腸を広範囲に壊死させてしまうことが良くあります。

 

 

 

■　この猫ちゃんは運良く胃の中で止まっていそうで、現時点で消化器症状の問題はありませんでした。

 

 

 

 

 

◆◆　そこで、避妊手術と同時に内視鏡検査を行い、胃の中をチェックしてみると、紐の塊だけでなく、ビニールなどの異物も誤食されていました。

 

 

 

■　胃内の異物は、胃酸によってビニールのような柔らかい物でも、硬くなっている事が多いので、食道や胃の入り口を傷つけないように、慎重に取り出す必要があります。

 

 

 

■　今回は、３０分程で運良く全ての異物を取り出すことができました！

 

 

 

 

★　今回は、後半で行った避妊手術の際に、腸管の異常を目視できるので実施しなかったが、手術の際に邪魔をしない特殊な造影剤があるので、それを用いた小腸大腸内部の異物確認も行えますし、ＣＴ検査で簡単に異常像を確認する事も行えるので、『　念には念を入れた事前検査　』が出来る動物病院として、今後も慎重に診療を行っていきたいと再認識する症例でありました。

 

 

 

★★　最後に、異物摂取癖のある子は、繰り返すことが良くあります。

 

 

 

★　今後も注意して見ていきたいと思います。

 

 

 

獣医師　増田正樹

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