【こんな症例も治りますシリーズ 665】 『 歯が折れた! 時間経過が長めのネコちゃんの派手に折れた犬歯 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、猫ちゃんの左上顎犬歯が折れている状態です。

 

猫 ミックス猫 2歳 オス(去勢手術済み)

 

 

【 左の上顎犬歯が折れてしまった 】という形で来院されました。

 

 

◆◆ 診察してみると、左上顎犬歯が歯の中腹ほどで破折(歯が折れたこと)し、『露髄(ろずい)』という状態でした。

 

 

 

■ 『露髄』とは、歯の中の神経が外界に露出した状態をいいます。

 

 

★ 歯は歯槽骨というアゴの骨で支えられています。 今回のような派手な『露髄』状態ですと、歯とその歯槽骨まで細菌の影響を受けやすい状態です。

 

 

★ 歯周病とは、歯の周囲の歯槽骨が歯周病菌によって溶けた状態です。 今回は、その危険性を持っています。

 

 

■ 折れたばかりであれば、歯の中の神経を保存した治療の『 歯内治療 』も可能なのですが、この子はいつ折れたか不明でした。

 

 

★ この猫ちゃんには、噛み癖があるそうです。 猫ちゃんは、色々なモノを嚙んでいる時に、大事な犬歯が折れてしまう事が多いのです。

 

 

 

 

 

◆◆ そうなると、『 抜歯治療 』が望ましい状況です。

 

 

■ 後日、全身麻酔下で抜歯処置を行いました。

 

 

★ 歯の状況を調べるため、同時に『 事前CT検査 』を行いました。

 

 

★ そのCT検査では、他の歯はしっかりしており、折れた歯も歯周病などは起こしていませんでした。

 

 

 

★ しかし、まだ歯槽骨への骨の変化が起こっていないだけで、『 細菌感染は否定されていない 』状況です。

 

 

 

 

■ しっかり、上顎左犬歯を抜歯処置後、抗生物質クリーム治療と歯槽骨を補強する治療を行なって、縫合治療で終了しました。

 

 

 

↑ 上の写真は、折れている左上顎犬歯を抜歯した後に、歯肉粘膜を縫合した状態です。

 

 

■ その他の歯も、しっかり専用の歯科ユニットで歯面を磨かせていただきました。

 

 

■ 今後もしっかり経過を診ていきたいと思います。

 

 

 

獣医師 増田正樹

 

 

 

 

 

 

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