【こんな症例も治りますシリーズ 648】 『 他院から転院してきた 原因不明の発熱、食欲減退、呼吸が荒いワンちゃん 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、子宮蓄膿症の子宮です。

■ Yの字型の部分がパンパンに腫れた子宮です。

■ 子宮の中身は、『膿』です。

 

 

犬 ミニチュアシュナウザー 8歳 メス(未避妊手術)

 

 

 

【 原因不明の発熱、食欲減退、呼吸が荒い 】ということで来院されました。

 

 

 

 

◆◆ 他院で治療したが、改善しなかったそうです。

 

 

■ 来院時、体温は40.2度ありました。

 

■ 血液検査をしてみると、CRPという炎症マーカーが上昇しています。

 

■ 白血球数も、通常1万前後が正常値ですが、3万台まで上がっていました。

 

 

◆ レントゲン検査、エコー断層検査で、腹部画像検査をしてみると、異常に大きくなった子宮陰影がみられます。

 

 

 

◆◆ 『 子宮蓄膿症の疑い 』があります。

 

 

※ 子宮蓄膿症とは、子宮内膜という子宮の内側の膜が厚くなり、細菌感染を起こし、子宮に膿がたまる、もしくは排泄される子宮疾患です。

 

 

 

###  命に関わる緊急に治療を行なうべき病気のレベルです。

 

 

 

 

 

■ この子は陰部から膿が出ない、非解放性の子宮蓄膿症の疑いがあり、飼主様からの問診や、簡単な触診では分からないレベルでした。

 

 

◆◆ 細菌感染への反応が制御不能に陥ると、ワンちゃんが『 敗血症という臓器機能障害 』になってしまいます。

 

 

 

■ 一刻も早く、感染源である子宮を外科手術で取り除く必要があります。

 

■ そのまま緊急手術となりました。

 

 

 

◆◆ お腹を開けてみると、子宮がパンパンになっていました。

 

 

■ 慎重に化膿した子宮を取り除き、的確に止血を行い、腹腔内を入念に洗浄し、閉腹としました。

 

 

 

■ 時間が経っている子宮蓄膿症は、手術後も『 DIC:播種性血管内凝固症候群 』という致死性の病気になる事もありますので、内毒素(エンドトキシン)ショックの予防対策も行いながら、入院管理を行いました。

 

 

 

 

■ 3日後、元気に退院して行きました!

 

 

※ 初期の検査と、初期治療がいかに大切かを、飼主様も感じられた症例でした。

 

 

 

■ 今後も慎重に経過を見たいと思います。

 

 

 

 

獣医師 増田正樹

 

Page Top