【こんな症例も治りますシリーズ 645】 『 CT検査を併用することで、他の病気に対する事前準備も出来て、前から気になっていた歯周病 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、猫の下顎のCT画像です。

■ 矢印(→)が示す箇所は、歯の歯頚部疾患という病気の部分です。

■ この病変は、肉眼で見つける事が出来る場合と、レントゲン検査でも見つけられないケースもあります。

■ CT画像だと、歯周病・下顎の病的骨折のリスクも同時に分かるので、優れています。

 

参照サイト:

https://00m.in/JWUiJ

 

猫 ミックス猫 12歳 オス(去勢手術済み)

 

【 歯石除去を行いたい 】とのことで、先日来院された猫ちゃんです。

 

 

◆◆ 一般状態は良好で、健診時の血液検査の結果も問題ありませんでした。

 

 

■ 若い頃から口臭が強かったことと、最近では『 食後に口を気にして、手で引っ掻く仕草が見られていた 』ようです。

 

 

 

■ 麻酔をかけて口腔内を確認すると、すでに欠損している歯が多く、グラグラと動揺している歯が4本ありました。重度の歯周炎でした。

 

 

 

■ 動揺している歯は全て抜歯をしましたので、上顎の歯はこれで0本になりましたが、通常は痛みや炎症がなければ歯は無くても問題が起こりません。

 

 

 

■ 歯周病に対しては、『 口腔内の局所免疫力を上げるサプリメント 』が有効ですので、今後お勧めしたいと思います。

 

 

 

 

◆◆ また、全身麻酔をしますので、合わせてCT検査も行いました。

 

 

■ 肺に小さな結節状病変があること、腎臓結石、同じく腎臓の萎縮があることがわかりました。

 

 

 

■ とくに腎臓については今のところ全く症状はありませんが、今後は定期チェックして病期(病気のステージ)に合わせた対応を早期に行えるようサポートしていきたいです。

 

 

 

※ アメリカの獣医療では、殆どの症例で『 CT検査 』を行う時代に突入しています。

 

 

 

※ 日本も、病気を見逃す医療が問題になる、社会になってきていますので、『 今回のように、レントゲン検査や超音波エコー検査などでは見逃す病変を、CT検査で見つけ出せた 』事は、大いに意義があると思います。

 

 

■ 『 どうぶつのCT検査は、安全です 』

 

 

獣医師 新井澄枝

 

 

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