【こんな症例も治りますシリーズ 641】 『 ハムスターの結膜炎 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、ハムスターの眼瞼炎です。

■ 眼の周囲が赤くなっています。

■ 眼瞼炎だけでなく、眼の中の結膜炎も起きている可能性があります。

 

参照サイト:

https://00m.in/HI04g

 

ジャンガリアンハムスター 6カ月齢 メス

 

 

【 左眼を開けられない、眼の周りが赤い 】ということで来院されました。

 

 

 

 

◆◆ 飼い主様からお話を伺ってみると、『 5日前に左眼を開けにくくしていることに気が付いたけど、痒いのか、時々、トイレの砂に顔をこすりつけ、眼の周りが赤くなっているなど、段々ひどくなっているみたい 』とのことでした。

 

 

 

 

■ ハムスターで多く見られる眼疾患の一つに『 結膜炎 』があります。

 

 

 

 

◆ ハムスターの眼は通常、パッチリと開いていますが、結膜炎になると

 

 

① 眼を開けられない

② 眼ヤニが多く出る

③ 眼を気にして、身づくろいや床に顔を擦り付ける、などの症状がみられます。

 

 

 

◆ 原因としては

① 眼に細菌が侵入して起こる細菌性結膜炎

② 床材やプラスチック用品などによって眼にアレルギーを起すアレルギー性結膜炎

③ 眼を傷つけてしまったために起こる外傷性結膜炎、などが考えられます。

 

 

 

◆ 治療は、主に抗生剤、抗炎症剤などのお薬を点眼または飲み薬として処方します。

 

 

 

■ また、結膜炎では不衛生な環境による細菌やカビの増殖が引き金となる場合もあります。

 

 

 

■ お薬による治療だけでなく、飼育管理の見直しも重要となります。

 

 

 

■ さて、このハムちゃんの場合、左眼は開きにくく、眼の周りの縁が赤くなっていたこと、また、途中から、痒みのために、しきりに眼を気にして、砂に顔を擦り付けていたとのことから、フルオレセイン染色で角膜を調べたところ、『 角膜には傷は見られません 』でした。

 

 

 

 

■ したがって、細菌性結膜炎がまず強く疑われたことから、抗生剤を処方することにしましたが、ただ、痒みを伴っていたこと、木材性の床敷きを使用されていたこともあり、アレルギー性結膜炎も考慮にいれ、床敷きの材質を変更することも併せてお伝えしました。

 

 

 

■ 2週間後、飼い主さまより『 床敷きを木材の屑からぺーパーに交換して、毎日、お薬も飲んでいたら、すっかり、元通りに良くなりました 』とお話し下さいました。

 

 

 

 

■ 気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

獣医師 泉 政明

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