【こんな症例も治りますシリーズ 640】 『 犬の左目の周囲が痒い 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、犬の食物アレルギー性皮膚炎の治療前後です。

■ 左の写真は、眼の周囲の皮膚に、眼瞼炎と皮膚炎が起きています。

■ 右の写真は、眼の周囲が正常に治った状態です。

 

 

犬  4歳 オス(去勢手術済み)

 

 

【 左眼の周りが痒い 】ということで来院されました。

 

 

 

◆◆ 診てみると、左眼瞼周囲が発赤し、脱毛、また皮膚の色素変性も見られます。

 

 

■ さらに、よく診ると、右眼も眼瞼周囲が発赤していました。

 

 

 

■ これは、眼瞼炎を起こしています。

 

 

 

 

■ 犬の眼瞼炎の原因は、

 

 

1) 細菌感染(若年性膿皮症)、

2) アレルギー性皮膚炎、

3) 昆虫や化学薬品に対するアレルギー、

4) 真菌感染、

5) 免疫介在性(天疱瘡、ぶどう膜皮膚症候群)、

6) 寄生虫性(ヒゼンダニ、毛包虫)   などが考えられます。

 

 

 

 

■ まず、皮膚検査を行いましたが、寄生虫は検出されませんでした。

 

■ また、この子には、定期皮膚外部寄生虫予防、定期駆虫がしっかり行われていました。

 

 

 

 

■ そこで、飼主様に今回の症状のきっかけをお聞ききしてみると、『 新しいおやつを与え始めた 』、との事でした。

 

 

 

★★★ この情報で、食物アレルギーが疑われました。

 

 

 

 

■ そこで、まずしっかりと食事管理を行い、アレルギー治療薬と抗菌薬をお出しした所、2週間ほどで症状は劇的に改善し、毛も生えてきました。

 

 

 

 

◆◆ この病気は、今後も再発する可能性があります。 同じような食物を食べた時に、そのタンパク質に体が反応して『 アレルギー性皮膚炎 』を起こすのです。

 

 

 

 

■ 今回は、眼の周囲だけという部分的な食物アレルギー性皮膚炎でしたが、全身の皮膚炎も多いです。

 

 

■ 当院では血液検査での詳細はアレルギー反応検査も可能です。 是非、この子の再発防止のために、このアレルギー物質の特定を行う検査を行って、フォローアップを今後ともしていきたいと思います。

 

 

 

獣医師 増田正樹

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