【こんな症例も治りますシリーズ 630】 『 高齢猫の消化器型リンパ腫 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、この子の腹部レントゲン画像です。

■ 腹部を横から撮影したレントゲン画像です。

■ 左側が頭部方向で、右側が尾部方向です。

■ 画像の丁度真ん中に、白っぽい円形に近い部分があります。

■ これが、消化器型リンパ腫です。

 

猫 ミックス猫 17歳 オス(去勢手術済み)

 

 

【 食欲が落ちている 】という事で来院されました。

 

 

◆◆ 血液検査を行ってみると、BUN、CREという腎臓の数値が上がっています。

 

 

■ これは、一般的に考えて、『 腎臓病 』を持っています。

 

 

 

■ 3ヶ月前に行った血液検査より腎数値が上がっており、当初はこのせいかと思われたのですが、腹部画像検査を行ってみると、レントゲンで腹部に塊状病変が見つかりました。

 

 

 

■ 超音波エコー検査を続いて行うと、小腸の回腸と盲腸の結合部に腫瘍が出来ていました。

 

 

 

◆◆ おそらく、食欲減退の原因の疾患だと思われました。

■ 細胞診検査といって、針を病変部に刺し、細胞の診断を行ってみると、リンパ腫が疑われました。

 

 

 

■ 通常、小腸に腫瘍性病変が認められた場合、切除手術の対象になりますが、この子は17歳と言う高齢であり、腎臓病もある事から、飼主様と相談して『 外科手術を実施せずに、抗がん剤治療 』を行っていくこととなりました。

 

 

 

◆◆ リンパ腫は腫瘍の中でも抗がん剤に対する感受性が高く(効きが良いこと)、生存期間の延長が見込めます。

 

 

 

■ ステロイドと共に、抗がん剤多剤併用療法を行なっていくこととしました。

 

 

↑ 上の写真は、治療前後の超音波エコー検査画像です。

■ 左は、治療前の腸管に発生したリンパ腫です。

■ 右は、腫瘍の治療を行って1週間経った同じリンパ腫です。

★ 治療効果によって、悪性腫瘍が小さくなっています。

 

 

 

■ 抗がん剤、ステロイド治療を始めて1週間後、小腸の塊状病変はかなり小さくなっています!

 

 

 

■ 抗がん剤を使用すると、腫瘍が溶け出して、悪い物質が全身に回る腫瘍溶解症候群や、ステロイドによる腎臓負担などが心配されましたが、そういった副作用は見られませんでした。

 

 

 

■ 今後も注意して経過を見ていきたいと思います。

 

 

 

★★ 当院には、この抗がん剤治療にも耐えられない、例えば副作用が出てきてしまったり、他の臓器も傷んでいるような猫ちゃんにも使える『 安全なリンパ腫の治療方法 』もあります。

 

 

★ 当院の姿勢は、他院で『 諦めて下さい 』、『 難しいでしょう 』と言われてしまっても、飼主様と動物たちがお困りでしたら、一度だけでも相談に乗る事は可能だと思います。

 

 

 

★ そして、現実として100%ではないですが、多くの子が助かっています。

 

 

 

★ もし、ピンと来たと感じたら、お声がけください。

 

 

 

獣医師 増田正樹

 

 

湘北どうぶつ次世代医療センター

046-274-7662

 

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