【こんな症例も治りますシリーズ 592】 猫の『 FIP(ネコ伝染性腹膜炎)ミックスタイプ 』も 適切な診断と治療で治します

猫ちゃんにとって、FIPにならない事がとても大切です。
★ 今は、感染したとしても、治せる時代になりました。
★ 消化器の運動が止まると、命が危険ですので、FIPは早期発見早期治療が原則です。

 

猫 ノルウェージャンフォレストキャット 7カ月齢 メス(避妊手術済み)

 

 

【 かかりつけの動物病院でRT-PCRで猫伝染性腹膜炎(FIP)と診断された 】とのことで来院されたネコちゃんです。

 

 

◆◆ 来院時は発熱していて、元気も食欲もありませんでした。

 

 

■ お腹は、パンパンに脹っていて腹水が溜まっていることがすぐにわかりました。

 

 

 

■ 血液検査の結果、FIPに特徴的な貧血、高グロブリン血症(抗体量が高い)、高ビリルビン血症(黄疸)が見られました。

 

 

 

 

■ エコー検査では、お腹の中にあるリンパ節が腫れていました。

 

 

 

◆◆ FIPの原因や症状、診断については既に【FIP専門治療センター】からのブログ記事にまとめられていますので、割愛させていただきますが、このネコちゃんは腹水のRT-PCRでFIP陽性でお腹の中のリンパ節が腫れていたことからFIPミックスタイプと診断されました。

 

 

 

■ 今回、悪いことにビリルビンの値が2.5mg/dL(正常値は0.2mg/dL以下)と非常に高かった事です。

4.0mg/dLを超えると予後(治癒)が悪いと論文で報告されています。

 

 

 

 

■ すぐに入院していただき、FIP治療を開始しました。

 

 

 

 

 

■ FIP治療薬にはいくつか種類があります。 腹水が溜まっているネコちゃんは、消化管の運動が低下していることが多く、飲み薬が吸収できず、効果が期待できない事から、まず、注射薬を選択しました。

 

 

 

■ また黄疸に対する治療も、同時に静脈点滴を介して開始しました。

 

 

 

 

■ すると治療開始5日目には平熱、食欲も元に戻り、ビリルビン値も1.7mg/dLまで下がりました。

そこで退院して、飲み薬で治療することになりました。

 

 

 

 

■ 1ヵ月後にはビリルビン値も正常、高グロブリン血症、貧血も改善し、元の元気なネコちゃんに戻りました。

 

 

 

■ しかし、ここで油断してしまうと再発の恐れがあります。

 

 

■ 3カ月間はしっかりお薬を飲んでいただくことで、FIPウイルスを体内から排除し、再発を防ぐことができます。

 

 

 

 

◆◆ 【FIP専門治療センター】からのブログ記事にもありますように、当院の治療プログラムの中で再発例はほとんどありません。

 

 

 

■ FIPのRT-PCR検査には数日間の時間が必要です。

今回のネコちゃんの様に、その結果を待つ間にどんどん悪化してしまう事が少なくありません。

 

 

 

■ 当院では総合的に判断し、RT-PCRの結果の出る前から治療を開始して悪化を防いできました。

 

 

 

■ FIPの疑いがあるようでしたら、躊躇せずにご相談ください。

 

 

 

 

 

獣医師 天野雄策

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