【こんな症例も治りますシリーズ 572】 『 ハムスターの子宮蓄膿症 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、調子が悪い状態のハムスターです。

■ 日頃、ハムスターの陰部は見ないと思います。

■ この子のように、『 調子が悪そう 』というのが大きなサインです。

⇒ 『 様子を見よう 』、ではなく、病院に行こうと行動して下さい。

 

 

参照サイト:

https://bit.ly/3EK8Hc0

 

ゴールデンハムスター 2歳半 メス(未避妊手術)

 

 

【 元気・食欲がなくて、お腹が張っている 】とのことで来院されました。

 

 

◆◆ 飼い主様からお話を伺ってみると『 2日前から食欲がなく、お腹が張っている。 また、昨日から下痢みたいにお尻が汚れているんです 』とのことでした。

 

 

■ 子宮蓄膿症とは子宮に細菌感染が引き起こされ、膿と体液が溜まる疾患です。

 

 

■ 子宮蓄膿症の症状としては主に陰部から膿や血が見られ、重症例では子宮に膿が溜まることにより、腹部が膨らみ、食欲低下、元気消失が見られます。

 

 

 

■■ 診断には、顕微鏡を使った尿や外陰部の分泌物の検査や、体内にある子宮や卵巣を調べるエコー検査などを行います。

 

 

■ 治療法としては卵巣子宮を摘出する外科治療がもっとも根本的な治療法ですが、高齢や体力的に手術をおこなうことができない場合などには、抗生物質の投与などによる内科的療法をおこないます。

 

 

 

■■ さて、このハムちゃんの場合、お尻の汚れは下痢ではなく、陰部から排出された膿で、その顕微鏡検査と腹部エコーによる子宮内貯留液の結果から子宮蓄膿症と診断されました。

 

 

■ そこで治療法としては外科的治療が第一選択と考えられますが、2歳半と高齢で症状も重いことから、飼い主様の希望も.あり、抗生剤とサプリメントの併用による内科的治療を行うことにしました。

 

 

 

■ 治療はまだ始まったばかりですが、そもそもの寿命が2~3年と短いハムスターでは治療をおこなった場合でも、寿命が5年、10年と伸びる訳ではありません。

 

■ 治療の目的はこのハムちゃんの生活の質(QOAL:クオリティ・オブ・アニマル・ライフ)を上げることです。

 

 

■ 短命であるからこそ、1日1日をより長く、より大切に生きることに非常に大きな意味があるのです。

 

 

■ これからも、飼い主様と一緒になって、1日でも長生き出来るようケアしていけたらと思います。

 

 

■ 気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

 

獣医師 泉 政明

 

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