【こんな症例も治りますシリーズ 567】 猫ちゃんの『 他院の避妊手術後に発情が続いて困る 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、ネコちゃんの左卵巣です。

■ 矢印の先端に膨らみがあります。 これが卵巣遺残の部分です。

 

猫 ミックス猫 5歳 メス(避妊手術済)

 

 

【 他院で避妊後も発情がつづく 】とのことで来院された猫ちゃんです。

 

 

 

◆◆ 外部検査機関での特殊血液検査で、卵巣から出来る『 黄体ホルモンのプロジェステロンの濃度 』を測ると、高値でした。

 

 

■ 卵巣が取り残されている可能性が高いです。

 

 

 

■ ネコちゃんの避妊手術は、卵巣のみ取る卵巣摘出術や、子宮と卵巣すべて取る子宮卵巣摘出術があります。

 

 

 

■ 卵巣が取れなかったり、手術中に卵巣が腹腔内に落ちてしまうことが考えられました。

 

 

 

■■ 卵巣の状況が不明なため、腹腔内をCTで撮影すると、腹部の左右に卵巣と思われる組織が撮影されました。

 

 

■ 他院での避妊手術では、子宮自体は摘出されていそうです。

 

 

■ このCT画像を念頭に、『 卵巣遺残摘出手術 』を行うこととしました。

 

 

■ 開腹下で見てみると、CT画像通り、左右腎臓の尾側で卵巣組織がみつかりました!

 

 

★ 当院の微細な血管シーリングも出来る『 サンダービート 』と、皮膚から深い臓器の部分を手術する時に使うウェラブル無影灯『 OPELAⅢ 』を用いて、丁寧な各部臓器の確認を行いながら、短時間で手術を終える事が出来ました。

 

 

 

■ 遺残していた卵巣を摘出したところ、その後発情はみられていません。

 

 

 

※ 『 人の振り見て我が振り直せ 』という気持ちで、当院では基本手術を軽視しないでいく覚悟が出来た症例でした。

 

 

 

■ 今後も、このネコちゃんの経過をしっかり見ていきたいとおもいます。

 

 

 

 

獣医師 増田正樹

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